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2011年4月 1日 (金)

条文を読んでみるはなし(58)

好きな数字を一つ言え、と言われると、「27」なんてのは好きな数の一つでして。
これは別段、自分の登録番号(下二桁が27なのです)とは何の関係もなく、ただ、3の3乗だというそれだけの理由で子供の頃から好きだというだけの話です。

で、実は「45」なんていうのも好きな数の一つ(こちらは15×3だからという理由ですが、変だと言われても反論はしませんしできません)なんですが、特許法では残念なことに、45条は欠番なのであります。
 というわけで今回は46条。

■ 46条は、「出願変更」の規定であります。

□ 第46条 実用新案登録出願人は、その実用新案登録出願を特許出願に変更することができる。ただし、その実用新案登録出願の日から3年を経過した後は、この限りでない。
2 意匠登録出願人は、その意匠登録出願を特許出願に変更することができる。ただし、その意匠登録出願について拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があつた日から3月を経過した後又はその意匠登録出願の日から3年を経過した後(その意匠登録出願について拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があつた日から3月以内の期間を除く。)は、この限りでない。
3 前項ただし書に規定する3月の期間は、意匠法第68条第1項において準用するこの法律第4条の規定により意匠法第46条第1項に規定する期間が延長されたときは、その延長された期間を限り、延長されたものとみなす。
4 第1項又は第2項の規定による出願の変更があつたときは、もとの出願は、取り下げたものとみなす。
5 第44条第2項から第4項までの規定は、第1項又は第2項の規定による出願の変更の場合に準用する。

■ えー。ここで書かれている変更の手順は、

  • 実用新案→特許(1項)
  • 意匠→特許(2項)

の変更であります。
 おや。特許から実用新案への変更は? 特許から意匠は? …と思われるかもですが、実はそれらは、実用新案法と意匠法とにそれぞれ規定されています。何条かは探してみてください。
 このように、出願変更の条文は、変更先の法域の法に規定がございます。

■ 出願変更の規定については、分割の規定が準用されていることもあり(5項)、あまり書くべきことがありません。時期的制限について規定があるわけですが、それぞれ書かれている通りです。
 まぁ初心者向けに注意するとすれば、「実用新案登録出願人」などと書かれている点、つまり、「出願人」である必要があり、登録等によって係属が解除されてしまうと変更はできなくなることが示されていることにも注意するべき、というような話でしょうかねぇ。

■ さて。それで、実用新案から特許への出願変更は、まだいいのです。想像がつくのです。だって、実案の出願手続にも「請求の範囲」がちゃんとあり、明細書がちゃんとあるからです。
 しかし意匠から特許への出願変更というのは…?
 これは想像がつきにくいのです。

■ そこで、変更の要件が満足されないとして蹴られる虞を危惧したある代理人は、意匠登録出願のうち、特許へ出願変更するかも知れないものについて、特許出願につかうクレイムや明細書に相当する記述を、意匠の説明欄に記載して出すという荒技をしていました。
 いまでも彼がそれをやっているかどうかは知りませんが、どれほど効果があるものか。また、どれだけニーズがあるものか(意匠から特許へ変更する人がどれだけいるか)不明ですが、確かにそれくらいしないと、意匠から特許への変更というのが想像しかねる部分もあるかと思います。かくいう私、意匠から特許へ出願を変更した経験は、この十数年実務に携わってきて一度もないので、これ以上のことは書けないんですよねぇ。
 まぁ、「条文を読む」としては、見たままの条文でして、これで終わって問題はないかと思いますが。さて、それで次は46条の2、というやつです。

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