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2010年11月30日 (火)

[技術ばなし](番外編) Integral by parts

明日から師走に入ってしまう---とはとても信じられない一年でした。
今日は、とりあえず事業税やら国民健康保険税やらという各種税金を納めて、すっかり小さくなった通帳上の預金額を眺めて… いや。まぁ、仕方ないんですが。せめて有効に使ってくれよ。ささやかな私の税金。

さて、絶賛書く書く詐欺中の「技術ばなし」ですが、ちょいとした事情により書きにくくなってしまったので、元の原稿をボツにして、番外編として本日お届けすることに。

■ といって、突然技術的な内容で書けるネタといっても…と思いながら乗った電車のなか、隣に座った高校生の会話を聞くともなしに聞いてしまったところ、どうやら部分積分のやり方がよくわからないらしい。
 これでも学生時代は、大学の依頼でプログラムを書いたり、特許事務所でお手伝いする以外に、学生らしく(?)個人指導塾で稼いでいたのです。思わず教えたくなりましたが、ここで突然教え始めたらタダのヘンなおじさん(危ないジジイ?)なので、ぐっと堪えておりました。

■ で、今回は
、その電車中の鬱憤をここで晴らそうというわけです。
 だいたい、学校の勉強なんて、ちょっとしたコツですらっと理解できちゃうものばかりなのに、いまいち理解ができないと言って諦めちゃうのは勿体ない話です。できないものは一応アタマに留めておいて、理解できるまで放っておけばいいだけです。

 んでもって、私の我流「部分積分の指導法」ですが、なんのことはありません。それは…

■ おっとっと。「部分積分」をご存じない/忘れてしまった人のために。
 部分積分というのは、関数の積の積分です。
 高校で初めて習う「積分法」は、一つだけの関数を積分する方法でした。例えば、

10113001

みたいな感じ。このタイプの積分は、基本的に

「公式の丸暗記」

で済ませてくることが多いので、教えるほどのことはあまりありません。
 ただ、「微分したら元へ戻る」という意識だけはちゃんとあった方が、いろいろ良い。自動的に検算ができるからです。どちらかというと

微分の公式の方が覚えやすい

ということもあるのです。

■ で、関数の積、というのは、例えば、

10113002

のように、2つ以上の関数をかけ算してできるものを言います。これを積分するとどうなるか。
 公式的に書けば、

10113003

みたいになります。ただし、

10113004

です。
 これは

10113005

の両辺を積分したものです(大学レベルになると当然視できない条件についてはここでは問題にしません f(x) も g(x) も温和しいヤツだとしています)。

■ ではここで例題として

10113006

というのを採り上げてみます。
 公式に当てはめるとなると、f(x)=sin(x)とでもおいて、F(x)=-cos(x)を得ておいて、

10113007

と、計算することになるかと思います。これはこれで難しくないのですが、一々、何々を何々とおいて、というような書き方をしないと、間違いそうなのが面倒といえば面倒。

■ そこで私の方法ですが、たいしたことありません。手始めに、最後にでてくるだろう項の形を予想してしまいます。たとえば、この例題の場合、何を微分したら x sin(x) が出てくるだろう、という方法で予測するわけです。この場合、一つには (1/2) x^2 sin(x) 。もうひとつは -x cos(x) です。そこで、

右辺に

このどちらかを書きます。私はカンタンなのが好きなので、後者をとります。

10113008_2

さて、この数式を次に微分します。ここで、

元の式が出てきたら、それは左辺に

書きます。このとき

右辺に書く項は正負の負号を反対に(移項時の負号)

します(慣れないうち、あるいは正確を期するならば計算用紙に一旦数式を書き出してもOK)。

10113009

ところで、この式は正しくありません。なぜならば、積分が抜けているからです。
予想して書いた最初の項以外の項を積分します。

10113010

…これで部分積分ができました。

■ 試みに、ウェブで拾える部分積分の問題を2つばかりやってみます。
最初は、

10113011

予測項として、

10113012

というのがあるとして、

10113013

と、計算できました。たいしたことありませんな。

次に、

10113016

というのを。eは、

微分しても積分しても「不死身の」e

なので(このフレーズはどこで見たんだったけな?)、予測項はほとんどそのまま、

10113014

と、考えておきます。
そうすると、

10113015

と、計算できました。数式の1行目から2行目にかけては、2xExp[-x]をもう一度部分積分しています。このときの予測項は、-2xExp[x] です。尤も、早い段階で「2」は括り出しましたが。

■ 結局、私のやり方は、

積分より微分の方がラク、

という私個人の考え方によっていまして、

やっぱ面倒じゃん

という人がいらしても、

だって私はこっちの方がラクなんだもん

としか言いようがありませんので悪しからず。
 でも、この方法を昔高校生に教えたら、彼/彼女は、うまいこと部分積分をラクにこなせるようになってくれましたよ。ほんの数例なので、役に立ちませんでしたら、申し訳ない。

 なお! この記事の中では、積分定数は省略致しましたので、ご注意のほど。

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