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2010年7月 7日 (水)

税金 ばなし

ちょいとした事情のため、本日はあまり更新に時間がとれません。

▽ ので、急遽ニュースねた。

■ 事務所経営弁理士としては、税金の問題というのに注目しないわけにいかない。
 私のようなのが払う主な税金としては、

  • 所得税
  • 地方税(市民税等)
  • 個人事業税
  • 源泉税
  • (預かった)消費税

などがあるわけであるが、このうち所得税については、収入の10%(一月の収入が100万円までの部分、これを越える部分は20%)を源泉として予めお客様に預かって頂くことになっている(個人のお客様の場合は別)。
 実際の所得にかかる税金との差額は、年末調整---ではなく、確定申告によって計算され、必要に応じて納税したり、あるいは還付を受けたりするわけである。ちなみに、前年に確定申告により納税した場合、予め定められた額だけ事前に持って行かれる可能性もある(予定納税)。売り上げが激減した年にこれをやられるとキツくなるから、

「今年は少ないんじゃ」

と事前に申告すれば、予定納税の一部または全部が免除される。

■ 源泉税部分は、例えば税理士さんなどに経理をお願いしている場合に発生する。また、事務員等を雇用している場合も、源泉税があって、

「預かっている」

状態になるから、一定の期限で当該預かりぶんを納める必要がある。
 消費税ぶんもだいたい同じ。
 なお、こうした「預かり」税については、納税期限を守らないと、とても厳しい結果になる。これに比べると市民税等については、

「納めるだけの余裕がありませんで、来月とで分納させてほしいよう」

などとお願いすると、分納させて貰える場合があったり、なかったりする。

■ しかしながら税額自体については、ほとんど慣例等に従ってかっちり計算されてしまうので、二重課税だろうか、などと考える暇もないのである。
 そういうわけで、昨日、最高裁判所においてなされた判決は、私にとっても衝撃的だった。

■ この案件は、生命保険金を遺族が受け取ったときに発生する税金に係るものである。件の生保では、一時金Xと、分割払い金(総額Y)とが支払われる計算となっていたそうだ。
 国側は、(X+Y)について相続税をかけておき、ついで毎年支払われる分割払い金y1,y2…に対して所得税をかけた。こうすると、結局Yについて相続税をかけたあとで、当該Yの分割部分に所得税をかけているわけで、「二重課税」であることは明白だったわけだ。
 ただし、分割して受け取る期間に応じて相続税の対象額が変わるというはなしで、実際には相続税はY全体ではなくてその一部yにだけ掛けられていたそうなので、最高裁の判決では、当該y部分に関する所得税が「二重課税」で残りの「Y−y」部分については「二重課税にあたらない」とされているようである(判決文が未公開なので伝聞である)。

■ こうなると、いままで二重課税されていた人々の一部(一般的には5年を越えると還付請求はできなくなる---ただし例外はある)も、還付を請求してくる可能性があるわけで、国側としてはただでさえ税金が足りないときだというのに、この打撃は大きかろう。もっともそれもいままでの違法な課税の仕方が悪かったわけである。

■ この判決に関連して思いつくのは、「ガソリンに対する二重課税」という話であるが、これについてはガソリン税は販売者負担、消費税は購入者の負担で納税義務者が違うから二重課税ではない、というのが通説になっていて、二重課税だと認められる可能性が低い。
 もっとも、ガソリン税も販売額に転化されている以上、「預かり税」的理論によって二重課税的な判断がされてもいいのかどうか、税理士ならぬ私にはまったく見当がつかない。とかく税金はややこしくて透明性に欠ける。そしてよく知らないと、かなりソンをする仕組みになっている。なんだかなぁ。

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