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2010年6月30日 (水)

ときには制動 ばなし

本日は事務所から自宅へ戻る電車中で、思わずいろいろな方々との「かけあい tweet」をしてしまい…じゃっかん盛り上がりもしたので、取りまとめてみようか、などとも思ったのですがー。
 内容が内容ですし、個々の発言は、それぞれの皆様の著作でもありますので(と、言い訳をして)、今回は遠慮。まぁ、個人的にツボだったのは、

  • 審判官
  • 拒絶理由通知
  • 某認出願
  • 前置解除
  • Y審決
  • ファイナルアクション
  • 審査官面接
  • 不使用取消審判
  • 対価の額についての訴え

など。楽屋落ちですとも。ええ。

▽ で、楽屋落ちを続けていても仕方ないので、はなしを一転させ…
 先週末、近くまでクルマを出したのですが、前のクルマ、トラックでもないのに(ATだろうと思われるのに)信号で停まるごとにブレーキランプが消えるのです。なんじゃあれ。と思ったのですが、

そうか。これが噂に聞くあれだ。アイドリング・ストップってやつ。

それで思い出したのが、アイドリングストップで追突事故っていう話。

■ 運転免許とったときに聞いてるだろー
 と思うのですが、エンジンがかかっていない状態でブレーキを踏んでも、ブレーキは(あまり)効かないのです。
 それというのも、エンジンが回転していないと、ブレーキ倍力装置(ブレーキブースタ)が働かないからです。以下、ちょっとばかりその仕組みについて見てみましょう。もっとも、私も自動車工学を系統的に勉強したわけではないので、断片的な知識を組み合わせて説明を試みてみます(調べてる余裕があまりないので)。誤りがありましたら、ご指摘のほど。

■ ブレーキ倍力装置には、いくつかの種類がありますが、普通免許で乗るようなふつーのクルマについているのは、「負圧式」あるいは、「真空式」というやつだと思われます。
 エンジンが吸気行程に入るとき、インテークマニホールドを通じて吸気が行われるわけですが、アクセルを踏まない状態ではインテークマニホールドの吸気口は閉じているので、必然的にインテークマニホールド内の気圧が下がることになります。

■ ここで、
ブレーキ倍力装置の概略図をご覧ください。
 概略図は、特許庁の技術標準集にあります(http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/hyoujun_gijutsu/brakesuspension/14-1-3.pdf)。
 2ページ目の図(2)というやつが原理を示しています。ご覧頂きたいのはこの図の右側、「バルブ・プランジャ」というものです。このプランジャは、ブレーキペダル(図面右端)に接続されていて、ブレーキが踏まれると、図面左方へ移動します。図は移動した状態を示しています。また、ブレーキを戻すと、図面右方へ移動します。
 プランジャが右方に移動すると、インテークマニホールド(図ではインレットマニホールドと書いてありますが、同じものです)と、パワーシリンダの右側室(パワーピストンの右側)とが連通することになり、パワーピストンの右側にはインテークマニホールド内の気圧が係ることになります。また、プランジャが左方へ移動すると、パワーシリンダの右側室(パワーピストンの右側)が外気を受けることになり、パワーピストンの右側には大気圧が働くことになります。
 一方、パワーシリンダの左側室(パワーピストンの左側)は、常にインテークマニホールドに連通する状態にあり、パワーピストンの左側にはいつでもインテークマニホールド内の気圧が係ることになります。

■ さて、エンジンが回転している状態でブレーキを踏む(このとき一般的にはアクセル開度はゼロ)と、パワーピストンの左側には、インテークマニホールド内の気圧が係ることになりますが、先に書いたように、エンジン回転中はインテークマニホールド内の気圧は低下しており、大気圧に比べて減圧された状態にあります。
 一方、パワーシリンダの右側室は、ブレーキの踏み込みに応じてプランジャが左側に移動していることにより大気圧下にあり、したがってパワーピストンの右側には大気圧が働くことになります。
 パワーピストンの右側にかかる大気圧と、この大気圧よりも減圧された圧力(負圧)がかかったパワーピストンの左側。こうしてパワーピストンは左側へ移動することになります。
 この力で、ブレーキパッドの駆動を補助するわけです。

■ ところがエンジンが回転していなければ、インテークマニホールド内の気圧は下がりません。したがって、パワーピストンの移動もなく、ブレーキパッドの駆動も補助されません。
 結果として、いくらブレーキを踏んでも、なんだかブレーキがかからない状態になるわけです。

■ この倍力装置が効かない状態。実をいえば私、経験がありまして、某AT車で移動中、とある家の敷地内から外へ出ようとして、クリープ力だけでじりじりと敷地外へ移動し、公道へ出る手前で一時停止しようと思ったときのことです。
 いつもならば踏みごたえのあるブレーキが「ふにゃり」と力なく感じられました。そしてクルマは速度をほとんど落とさない状態のまま、じりじりと移動を続けていました。
 こういうとき、自分の頭はクルマを停止させる方法よりも、原因究明に動くんだなぁとそのとき思ったものです。第一に考えたのはブレーキフルードが漏れたのか、ということ。それからクルマを止めないと、と思い、サイドブレーキに手が伸びました。
 幸いにも事故もなかったのですが、いざというときに考える順序が違うぞ、と自戒しました。こういうヒヤリ・ハットは大事ですね。
 止めてしまってから落ち着いてみると、エンジンが停止していました(最近のクルマはエンジン音が小さくて分かりにくいんだ、というのも一つの発見でした)。後でわかった原因はイグニッションコイルの不具合で、それによりエンストを起こしていたのでした。それにしても事故もなく、ブレーキ倍力装置が働かない状態とはこういうものか、と経験できたのはよかったといまでは思っています。クリープだけで移動している、たかが10km/h程度の速度の動きが止められないのです。
 そうです。エンジンを停止するなら、クルマが完全に止まってから。ということです。

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