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2010年2月 3日 (水)

乱読日記[152]

小川洋子,「博士の愛した数式」

博士の愛した数式 (新潮文庫)
小川 洋子
新潮社
売り上げランキング: 6478
おすすめ度の平均: 4.5
1 読む価値なし
5 素数な気持ち
3 面白く読めるが・・・
4 あたたかい人間関係に和みます。
2 設定に無理がある

数式、でてました。

▽ ただ、「あれ」が「博士が愛した」数式なのか、愛した数式は「ルート」なのか、よく分からなかったんですけれども。

■ 一昔前の NHK の番組で、脳について採り上げているものがありました。いま、どうやら NHK オンデマンドで---お金さえ払えば---視られるらしいのですが、今回は確認していません。何をか、というと、短期記憶から長期記憶へ定着させる仕組みを失ってしまった患者の話です。
 この種の患者の場合、短期的な記憶は維持できるのですが、永続的な記憶として保持することができなくなるらしいのです。しかしながら、指先を動かす、など、運動行為の記憶については何故か定着可能である、との話が番組で流れていたように覚えています。

■ そういう患者さんが、果たして、この博士のような症状を呈するのかどうか、それは私の知るところではないのですが、短期記憶に維持できるのであれば、N分前の記憶から順次消えていく、という話にはならないと思うので、まぁ、この話はそういう「設定」のもとに作られた虚構なんだろうと思います。

■ 過去の
交通事故により、きっかり80分間の記憶しか維持できなくなった「博士」は、数学者でした。現在は、雑誌に掲載される懸賞問題を解き、その賞金などで生計を維持しているようです。人混みを嫌い、引きこもって生きている博士。
 そんな博士のもとに派遣された、ベテランの家政婦と、その息子は、博士の持つ数学の世界に惹かれていきます。

■ と、こんな風に書くと、数学の啓蒙書かと勘違いされそうですが、そういう類では決してありません。話としては、個人的には、小津安二郎の映画を思わせるような雰囲気を感じました。数学はその雰囲気を彩る点描に過ぎません。
 のびやかに、しかし要所でクライマックスもカタストロフもあって、ドラマとして不自然なところがなく、誰でも話のなかに入って行きやすいのではないかと思います。私も、通勤電車の中で読んでいたのですが、行き帰りの一時間半ほどで集中して読み切ってしまいました。

■ 脳科学に詳しい方などには、無理な設定が気になってしまうのかも知れませんが、あまり考えすぎなければ、この雰囲気はいかにも日本人が好きそうなそれではないかと思うのですが、どうでしょうか。

■ なんだか DVD も出ているようですね。映画になっていたとは知りませんでした。

博士の愛した数式 [DVD]
角川エンタテインメント (2006-07-07)
売り上げランキング: 6362
おすすめ度の平均: 4.0
1 設定はいいけど表現に矛盾が多すぎる気がする…
2 とってつけたようなセリフと下手なセリフまわし
5 瞬時と永遠
5 80分タイマーについてのありがちな誤解
5 男と女の関係式の多様性

■ スタンリー・キューブリック好きな私としては、「博士」で「愛」とくると、「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」なんですが…。いや。これはまったくの余談でした。

博士の異常な愛情/または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか [DVD]
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2007-01-24)
売り上げランキング: 21899
おすすめ度の平均: 4.5
1 ???
5 あなたにとって、キューブリックとは・・?
5 このタイトルが映画の中身と微妙にずれている気がするが
4 シニカル!
3 正直わかんないんです。

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