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2010年2月12日 (金)

条文を読んでみるはなし(6)

特許法8条から13条は、特許管理人と代理人のはなしです。ですから一括してお話を進めたい、とも思うのですが、中身がいろいろありますので、多少小分けにしようかと思います。

▽ 弁理士試験で出題が多いのはおそらく11条までの範囲で、12,13条というのはそれほど出題の対象にならないんじゃないかと思いますが、まぁ、それはそれ…

■ まずは第8条。「在外者の特許管理人」という標題がついてます。

□ 第8条 日本国内に住所又は居所(法人にあつては、営業所)を有しない者(以下「在外者」という。)は、政令で定める場合を除き、その者の特許に関する代理人であつて日本国内に住所又は居所を有するもの(以下「特許管理人」という。)によらなければ、手続をし、又はこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定により行政庁がした処分を不服として訴えを提起することができない。
2 特許管理人は、一切の手続及びこの法律又はこの法律に基づく命令の規定により行政庁がした処分を不服とする訴訟について本人を代理する。ただし、在外者が特許管理人の代理権の範囲を制限したときは、この限りでない。

 えー、ここではまず、「在外者」という言葉が定義されます。「在外者」については、後の条文で使われますので、定義を確認しておきたいと思います。

在外者とは、「日本国内に住所又は居所(法人にあつては、営業所)を有しない者」です。

 また、8条1項には、「政令で定める場合を除き、」という文言があります。ですから、政令に当たることも大事です。
 「政令」とは何でしょうか。ええ。まぁ、特許法の周りにある、

「施行規則とか施行令とかでしょ?」

というのは、半分ほど正解です。
 「政令」と言いますと、「施行令」の方を指します。
 一方、どうでしょう。特許法の36条4項1号を見てください。「経済産業省令で定める…」とあります。この「省令」というのが、「施行規則」です。細かい点はそのうちまたご説明するとして、この8条1項の場合、「政令」ですから、「施行令」を見ます。そうすると、

□ 特許法施行令1条
特許法第八条第一項の政令で定める場合は、特許管理人を有する在外者(法人にあつては、その代表者)が日本国に滞在している場合とする。

おお。いきなりだ。

■ いぜん---まだ「短答式」ではなく、「多枝選択式」と言われていたころの試験では、この施行令1条はよく出題されていました。いわく、

在外者(法人にあつては、その代表者)は、日本国に滞在している場合には常に、手続をし、又はこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定により行政庁がした処分を不服として訴えを提起することができる。

というのは、マルかバツか、などというわけです。
 はい。施行令1条を勉強してるかどうかの問題です。お答えはどうですか。
 …マル、とお答えの方、はい。そうですね、施行令1条を読むと、確かに、「政令で定める場合を除き、」特許管理人によらなければ、手続を…中略…できない。というのですから、政令に、「在外者(法人にあつては、その代表者)が日本国に滞在している場合」とあれば、マル、としたいですよね。
 で、マル、というお答え。これはマチガイです。短答式で初学者がよくやるマチガイっぽいので、ちょっと引っ張りました。
 どうマチガイか、といいますと、施行令1条を見ますと、

「特許管理人を有する在外者」

と書いてあるのです。
 大事なところを大きくします。

特許管理人を有する在外者」

です。
 上の例題では、「在外者は…常に…」とあって、「特許管理人を有する」かどうかを書いていませんから、これはまぁ誤り、「バツ」であると考えたほうが妥当というわけです。

■ さて、2項が置いてけぼりですね。2項のほうは、特許管理人が一切の手続等について在外者を代理する、と書いてあって、ただし、代理人のパワー(Power of attorney)を制限したときは、その限りでない、としています。
 当たり前のようですが、この但し書きがけっこう重要です。なんか、意外に長くなっています。9条は来週かなぁ。

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