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2010年1月26日 (火)

分からないことだらけ?

本日は夕方から弁理士会館で委員会。本年度の委員会ももう終盤になってきまして、来年度への申し送りみたいな事項が増えてきているところです。
 現在私が所属している、中央知的財産研究所運営委員会は2年任期で、私は2年目なので、今年でお役ご免です。研究所の副所長をされておられる先生のサポート役でしたが、おかげさまで一応、形に残る成果が出せたんじゃないかと思います。

▽ そうして会議が終わるともう外は夜。今日の霞ヶ関は風が強く、寒さが衣服の中にしみ通るような、そんな状況で、駅へ向かう足取りも急ぎがちに。

■ 商標関係の話題を出した昨日の今日ですが、なんだか本日も商標関係のニュースがてんこ盛り。
 例えば、偽ブランドバッグを所持していたとかで、誰かが商標法違反の疑いで逮捕された、とか、そうかと思えば、こんな見出し。

「ひったくり少年に『偽ヴィトン買わない?』商標法違反でタクシー運転手逮捕」(MSN産経ニュースの見出しより)


■ この見出し
、状況が分かりません。
 ひったくりをした後でタクシーに乗り込んで、そこで「買わない?」とか言われたんだろか、とか。
 記事を開けてみますと、現金約50万円の入ったバッグをお年寄りからひったくった14才少年がいたと。この少年は、その数日後に渋谷で「ヴィトンの店に行きたい」と言ってタクシーに乗ったと。そうしたら当のタクシーの運転手が、「偽ヴィトン持ってるけど買わない?」というようなもちかけを、その少年にしたと。それでその後、その少年に対して「偽ヴィトン」を売ったと。そんなわけらしい。
 大凡状況把握に誤りはなかったんだけど、ひったくりと、持ちかけ、販売との因果関係が分かりにくく、見出しとしてどうよ、とは思いました。
 …いや、そうか。記事をクリックさせるためにはこの程度の不明瞭さが必要なのか。
 クレイムと明細書みたいな関係か(違います)。

■ 偽ブランドバッグを持ってた、売った、買った、で何が悪い、という人がいますが、要するに偽物の品質というのは本物と違う(劣っている場合が多いと思うが、勝っていてもいい。とにかく違う)のが普通なので、本人は偽と知っていても、それに触れた誰かが品質を誤認するとかして、商標が毀損されてしまうのが問題なのです。
 商標は信頼の証みたいなものですから、商人にとっては大切なものなのです。

■ もう一つの商標ニュースは、山口市による「中原中也」の商標登録出願が認められなかった、というニュース。TBS のニュースは、ツッコミどころが満載です。
 いわく、「ホリエモン」等の名称などが登録拒絶されていることを挙げたうえで、

 そして今回、問題となっているのが歴史上の人物名です。明治から昭和にかけて活躍した山口市出身の詩人、「中原中也」です。山口市は去年2月、市民共有の財産として「中原中也」と「中也」の商標登録を特許庁に出願。しかし今月8日、特許庁は山口市の出願を却下しました。

という流れ。
 相変わらず、指定商品・役務については無視なのは、もう何なんだかマスコミの常識というところですし、「出願が却下」などという用語の使い方の誤りもこの際、目をつむりたい(この記事を書いた人は、公の使う「却下」の意味が分かってない人だと思うけど、もうどうでもいい)のですが、
 特許庁が挙げた理由が「歴史上の人物名を独占的に使用することは、公共の利益に反する」というものだったとか。
 先の「ホリエモン」は現存する人物を指してますし、おそらく独占適応性がないという理由ではなくて、当該現存する人物の人格権の問題じゃないかと思うんですよね。つまりは商標法4条1項8号の問題。それに対して今回の例は7号(公序良俗)ではないかと(商標審査便覧42.107.04 )。
 これらを同列にいうのは意味不明な気がします。そのうえ、どうやら当の出願をした山口市としては、

「これで『中原中也』なる商標は誰も登録できないことが確認できた」

と言っている模様。
 ま、待て。特許庁の審査基準としては、指定商品役務との関係も重視するとあるし、出願の経緯や目的なども重視するとあるわけで、公の出願が蹴られたからといって、民間も同じように蹴られます、という話にはならないと思うのであるが…???

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