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2009年11月19日 (木)

フォーリーと臨場感とスピーカーのはなし

いつかも書いたことだけれども、特許権が取得されているからといって、その特許発明に係る技術がスバらしい、とか、非常に高度である、とかいうことはできない。

▽ この意味は、もちろん特許権が取得された技術がスバらしくない、とか、高度でない、というわけではない。特許権の取得の有無にかかわらず、スバらしい技術も存在し得るし、スバらしくない技術も存在する、というだけのことだ。
 結局、特許権の獲得は過去に当該特許発明に係る技術思想が開示されていなかったことが条件なのであり、技術的なスバらしさとは何ら関係がないのだ。権利化されていて、かつ技術的にも優れているというのは、理想的なことだが、「特許技術」とか「特許製法」とかいう記述を、商品の品質を測るモノサシにしてはいけない。

■ 映画館へ行って映画を観ていると、本当にスクリーンの中から台詞が聞こえてくる錯覚を覚えたり、様々な方向から音が聞こえてきてビックリすることがある。
 映画館ではスクリーンの後ろ側にスピーカーが置かれていて、また、左右と後ろの壁面にもスピーカーが設置されているので、こんな錯覚が生まれるのかも知れない、と思っていた。

■ しかし試し
に、事務所の近くにある大手量販店の家庭用サラウンドシステムのコーナーを冷やかしてみると(実際にはそんなもの買う余裕(経済的な)も、置く余裕(スペース的な)もないので、単なる冷やかしである)、いくら5.1chサラウンドシステムといっても、それを本当に楽しめるスポット(観る人の座るべき位置)は限られてしまうことに気がつく。また、ちょうどいい、とされるスポットに座ってすらも、思ったような臨場感が得られないシステムが多いことにも気がついた。要するに映画館のシステムを単純にスケールダウンするだけでは、映画館で観るような臨場感はもたらされないわけなんだ。

■「AVレビュー」
という雑誌の12月号(今月17日発売)に、いつか、ここで紹介した、ヤマタミ音響技研製のスピーカーがホームシアターシステムとして入賞した(http://www.visualgrandprix.com/vgp2010/vgp_p2_result_vj.html#hts015)、という話を聞いて(おめでとうございます!)、このことを思い出した。
 ヤマタミ音響技研さんには、2度も試聴をお願いしておきながら、まだ購入に踏み切れていなくって、個人的には申し訳ない思いであるのだが、それはいまより小型の製品が出たときに必ず買います、とお約束しておくとして、いまのところはこのスピーカーシステムの面白いところをご紹介して普段のご厚意に報いたいと思う。

■ このスピーカーシステムの面白いところの一つは、いつかも書いたように、音場定位の感じが明瞭で、特定音源がどこから聞こえてくるのかがきわめてハッキリ聞こえてくるところにある。
 これは高音域の再現性が高いことに関係しているのだと思うが、高音域がキレイに再現されていることにより、実はもう一つ、面白い効果があることに、二度目の試聴のときに気がついた。

■ 映画の音響の中には、役者の台詞のほか、電車のガタコトいう音みたいな特殊効果(SE)、雑踏なんかの音(アンビエンス)、そして、役者の動きに伴って聞こえてくるべき音、すなわち衣擦れの音みたいなもの(フォーリー)までがきめ細かく重ねられている。
 思い起こしてみると、映画館のシステムをコンパクトにしただけのシステムでは、SEは明瞭に聞こえてくるものの、アンビエンスやフォーリーはこもりがちな音になって定位できなくなっていたと思う。アンビエンスはいわばバックグラウンドの音だから、パンフォーカスのように全体的に聞こえてきてもおかしくないが、役者の行動にともなって聞こえてくるべきフォーリーまでが定位不能になると、不自然さがでてしまう。

■ ヤマタミ音響技研さんのスピーカー試聴で、二度目に伺ったときには、「クライマーズ・ハイ」という映画の一シーンを見せて頂いた。新聞社の編集室に大きなニュースが飛び込んでくる。それに応じて記者たちが情報収集に追われてにわかに慌ただしくなる、というシーンである。
 シーンとしては幅広の編集室を場面左方向にドリー移動しながら撮影しているのであるが、したがって、当然に各役者のフォーリーは、左から右へと次々に移動していくはずだ。そしてこのスピーカーは高音域が明瞭に再現されるために、フォーリーの定位感がとても明瞭で、臨場感も抜群だったのである。

■ 同スピーカーシステムは、この25から27日にかけて行われるパテントソリューションフェア 2009 (http://www.psf2009.com/)に出展されるそうなので、興味を惹かれた方はぜひご試聴されてはいかがだろうか。
 パテントソリューション? そう。このスピーカーシステムに使われているスピーカーは、特許3517736 の特許製法で作られている。権利化されていて、技術的にも優れたところのある、好例である。

 そしてさきほどウェブサイト(http://shop.yamatami-sound-system.com/?mode=cate&cbid=585200&csid=0)を拝見したところ、

「展示会出展記念キャンペーン」

ということで、普段より値引きして販売されているではないですか!!
 うーん、もう一回り小型のシステムを発売してからこれをやって欲しかった…。
 それと、iPod 用の、みたいなごく小型のスピーカーっていう線はありませんでしょうかね>ヤマタミ様。

 オーディオシステムやホームシアター導入を計画中の方、この機会にいかがでしょう。
 変なスピーカーにお金をつぎ込むより、このスピーカーシステムを選択して、抜群の臨場感を体感してみませんか。その余剰のお金はアンプにつぎ込むとか、あるいは、何か発明をして、私の事務所までご相談においでください。

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