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2009年11月 2日 (月)

過ぎたるは ばなし

弁理士試験関係の記事を書かなくなって久しいのだけれど、このサイトにいらしてくださる方の中には未だ、そのテの検索ワードで検索をかけてこられる方も多い。さいきん、とみに多くなっているのが「論文、書き方」みたいなキーワードだ。試験直後だから分からなくもないけど。

▽ 中には「論文、向き不向き」みたいなキーワードの方や「論文、苦手」のようなキーワードの方もいらして、こちらはどういう情報を求めていらしているのか…

■ いぜん、しょっちゅう書いたことだけど、論文に限らず、この種の試験での禁じ手は、問われていることに素直に答えず、勝手な題意を設定して答案を作成することだ。こういう答案は勉強が不足している人よりも、却って勉強が進んだ人に多い。勉強が進めば進むほど知識が増え、ある問題に対して書きたいことが増えてくることの現れなんだろうと思う。
 例えば、私自身の受験時代の知り合いは、審判関係の問題が出題されると、どうしても再審制度に触れないと気が済まないらしかった。しかしながら、再審について問うているかどうかを検討もせずに、審判→再審のような流れを勝手につくるのはいかにもまずい。また別の知人は、知識はとても豊富だったけれども、その豊富な知識の中からどれを答案で書けばよいのかが整理できず、とにかく「知識の数打ちゃ当たる」的な論文を「得意と」していた。
 この方々の場合、「試験」に対する回答をしているのではなくて、単に関係知識を開陳しているだけだから、採点する方も困るだけのことである。
 そこで私は、受験生指導をしていたごく短い時期、

「勉強のしすぎはいけません」

と言い続けた。くだらない論点にはまり込むよりも、基本的事項を押さえておいて題意に応じた出力をすることが大事だと考えたからだ。
 いまの試験制度で、私たち旧試験制度組の「常識」がどこまで通用するのかは分からないけれども、問題に回答する姿勢については変わらないんじゃないかと思う。

■ で、話は展開して(標題とも関係のない話になり)、来週の火曜日には最終合格の発表があるということで、私の所属する春秋会でも合格祝賀会をやるらしい(11月27日を予定しているもようだけど、詳細はウェブサイト(http://shunju.gr.jp/)とかで確認された方がいいかも…いまのところ掲示はないみたいな気がするけど…)。
 合格者の方には---宣伝を抜きにしても---一応、いずれかの会派のいずれかが開催する祝賀会に出られたらどうかと思う。ちなみに、主要な会派としては

  • PA会(旧帝大系だけど最近はオープン)、
  • 春秋会(東工大出身系だけど最近はオープン)、
  • 南甲(中大出身系だけど最近はオープン)、
  • 稲門(早大出身系。早大出身者以外は入れないらしい)、
  • 無名会(出身大学には関係ないと聞いているけど、よく知らない)、

といった「日本弁理士クラブ」系列がある。
 また、「日本弁理士クラブ」ではないが、弁理士クラブ(通称・「弁ク(べんく、と読む)。最近活発らしい。とてもオープンと聞くけど、こちらもよく知らない)などもある。
 日本弁理士クラブと、弁理士クラブとで組織が違う、など、多少ややこしいかも知れないが、大した問題ではないので、あまり気にしないで頂きたい。
 なお、日本弁理士会への所属は(弁理士と名乗る以上は)義務であるけれども、各会派への所属は義務ではない
 も一つ余計なことを書けば、弁理士政治連盟(弁政連)や、弁理士協同組合等への寄付や出資も別に義務ではない。もっとも、これら会派や弁政連、組合はそれぞれに弁理士生活に有用な行動をしているものだから、できることなら会務に参加して(多くはボランティアであるが)頂けると有り難いと言える。

■ さらについでに余計なことをもう一つ書くと、弁理士会の委員会はお勉強会ではなくて、会員を代表していろいろやる組織なので、うっかり新人で参加しようとすると厳しい結果になることがある。

■ おっと。祝賀会の話だったっけ。祝賀会は、実をいえば事務所と合格者との就職マッチングを兼ねていることが多い。基本的に飲み会だけれど(立食パーティの形式が多いと思うけど)、別段、酒を無理強いされることはない(はずである)。大事務所の所長さんみたいな人も結構参加されるので、よさそうな人がいたら、二次会(もしあれば)についていっても悪いことはない(はずだ)。
 祝賀会の内容にも各会派でそれぞれに趣向があったものだが、最近はどうなんだろ。一時期取りやめのムードもあった記憶があるけれども、あれ以降、行ってないから分からないなぁ。
 弊所、というか私は、今年も不参加の方向で検討中だったけど、たまには顔出してみようかなぁ(会費の多寡次第で考えよう)。

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コメント

昨年、合格しましたが、結局事務所への転職もできず、
同じ仕事を続けてます。
せめてもの知財業界へのかかわりが欲しいってことで?
1年間ほど某所の添削をしてきました。

・事例問題なのに1行問題のように書いてくる。
  たとえば無効審判における具体的な措置を聞いているのに、
  審判について全てを書いてくる。
・題意より~で全てを片付ける。
  要件を検討せず、~題意より分割の要件を満たし~と書く。
・論理的に書かない。
  前後の文章がつながらない。前提を書かずに結論だけ書く。

業界に貢献すべく、発明報告を多めにやっているのですが、
今年は知財部が渋いです。

投稿: yos | 2009年11月 7日 (土) 10時09分

yos 様

コメントありがとうございます。

やはり実際に最近添削されているということで、話の重みが違いますね。とても参考になりました。
いつの時代も「受からないタイプの答案」というのは同じようなものなのでしょうか。

>業界に貢献すべく、発明報告を多めにやっているのですが、
>今年は知財部が渋いです。
景気のせいなんでしょうか。事務所運営側としては、この問題の方が、とても興味があったりします…。

投稿: ntakei | 2009年11月 9日 (月) 04時41分

某電気系メーカーでは、

「発明の内容を知財部の承認をもらってから発明報告をすること」
というようになりました。そこで、進歩性がないとか言って却下されることも。
リストラで、多くの開発がペンディングになったのも大きいですね。

ところがあまりにも出願のペースが落ちてるようで、もっと出せってハッパがかかったりしてます。。。。

(コメントでなければもっとぶっちゃけてお話できるのですが。)

投稿: yos | 2009年11月11日 (水) 22時07分

(補足です)
これまでは、知財部が発明の内容にノーチェックだったのです。
まあ、それもどうかなって気もしますけど。

投稿: yos | 2009年11月11日 (水) 22時15分

yos 様

コメントありがとうございます。
とっても興味深い話ですが…。
お暇なときに、どこかで飲みませんか(トカ、イッテミタリシテ…)?

投稿: ntakei | 2009年11月12日 (木) 04時52分

お誘いありがとうございました。
先ほどメール差し上げました。

投稿: yos | 2009年11月16日 (月) 07時39分

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