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2009年11月 4日 (水)

酒のはなしのような、そうでないような、はなし

とある大事務所の所長氏の blog で、昨今の景気を背景に、事務所経営の難しさをいうエントリーがあり、その方の人となりを幾分でも知る当方としては、珍しく弱気なネタに見えたのだが、翌日にはまた自信を取り戻したかのような、しかしながら内容はちょっと暗い側面のあるエントリーが投稿されていた。

▽ 私らの事務所としても確かに、上期よりも下期に入って一段と厳しさを増してきた感があり、そろそろ正月のモチや花見の酒(違うか、事務員の賞与、というべきだな)を気にかけにゃぁならない時期になって、

そういえばトライアルを出して貰うという話になったきりになってるところに改めてお声かけしてみようか

とも思っているのだが、なんせ、この時期だから、こちらもなんだか悪くって踏ん切りがつかないところもあるんだよねぇ。
 しかし、そうも言ってはいられないよな。

■ 当 blog では、常々、

「標題に飲酒記録とあるのに酒の話書いてないなぁ」

と書いているところだが、ここのところ書くほどの酒を飲んでないわけで、酒の話題は出しにくい。
 そういえばさいきん、

「事務所の飾りに」

と、長崎の地酒を頂いたのだが、「飾りに」といわれた手前、表向きは飲んでいないわけで、話題にできない

■ 近頃、酒といえば、韓国の酒に関する商標について、日本の企業が登録を得た、という話で、「国民(この場合は韓国民)から怒りの声」という報道である。なにやらまた反感を買っているらしい。
 登録された商標は---それを報道した韓国系の新聞によれば---「抱川一東マッコリ」などらしい。
 へぇ。

■ というわけで調べてみたところ、登録番号 5061779 号、5183373 号、5201283 号とを見つけた。

  •  登録番号 5061779 号は、手書き(!)のマークで、「抱川一東」その他の文字表記を列挙したもの。商標権者は、巨林フーズ&リカー。
  •  登録番号 5183373 号のマークは図形商標で、一東マッコリという文字が入っているもの。商標権者は株式会社清風。
  •  登録番号 5201283 号のマークは、二東マッコリ/黒豆味と文字の入った図形で、商標権者は、韓国の方のもよう。

■ どうやら新聞報道にある日本の企業というのは、巨林フーズ&リカーと、株式会社清風らしい。
 記事によると、この商標の存在を知った韓国人は、マッコリまで自分のものにしようとしやがって、みたいなことらしい。
 いやぁ、商標権を得ただけで、酒自体を自分のものにしようとしたわけじゃないじゃぁないかと思うのだが。そもそもこれら商標自体もどこまで禁止権範囲が及んだものか…。
 とはいえ、韓国での著名な産地名やら酒の名称やらを含んだ商標を出願してしまうとは、また反感をわざわざ買うようなことをしたものだなぁと、商標権者を調べてみた。
 そうしたところ、ちょっと面白いことを発見してしまった。

■ 登録番号 5061779 号の商標権者、巨林フーズ&リカーは所在地が兵庫県神戸市中央区二宮町1丁目9−11。一方、登録番号 5183373 号の商標権者、株式会社清風の所在地も、巨林フーズ&リカーと同じなのである。なんだ、実体は同じなのかなぁ。あるいは途中で社名変更したか?
 これらの企業のウェブサイトは見つからなかったが、同所在地にある企業のウェブサイトは見つかった。名称が株式会社巨林ジャパンといい(また違う名称だよ orz)、社長は朴正植さんという。この社長さん、姓が韓国の五大姓で、本貫の数も300を超える「朴」姓なので、おそらくは韓国出身の方ではないのかな、と思われる。そうだとすれば、何のことはない、日本に取られたのではなくて、同郷者によって取られただけなんだ。怒ることないじゃない

■ 特許や実用新案、意匠、商標の侵害警告が来た、とかいうときでもそうなんだけど、とにかく警告なら警告者が警告するについて正当な権原(この場合は力のリミットを表す「権限」ではなくて、法律上の権利の根拠を意味する「権原」)を持っているかどうか、確認するべきなんだ。
 この新聞記事で題材になってる商標権の場合も同じで、誰が権利者か確認してから報道なり何なりすべきだ。いまどき ipdl があって確認は容易なんだから。また、それがわからなかったら、どっかの特許事務所にでも依頼すればいいじゃない?
 たぶんそんな調査なら大した金額でなくやってくれると思うけど?

■ それと、今回は韓国のケースだけど、日本の場合だって、商標のマークのもつ禁止権の範囲も考えずに、

「あれが出願されてる!」

とか、

「こんなのが登録されてる」

とか言い出して、そのマークの一部でしかない文字とかについて、

「もうこの文字列は使えないんだー」

というような騒ぎは何なのかいな。騒ぐ前に、もう、ほんのちょっとだけ、お勉強をお願いして、本当に禁止権に入る場合に、改めて騒いで頂けたらと思う。

■ さぁて。弊所も3年目。そろそろ規模拡張も視野に入れて、まともに営業もしなくっちゃ。
 某大手事務所に負けてらんないし、厳しい時代だからといって指くわえててもしようがないもんね。

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