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2009年9月15日 (火)

くらい はなし

本日は、誠に残念なことに、弁理士の懲戒処分がまたあったとの報道がありました。
お客様からお預かりした特許料その他を未払いしていたということなんですが、2年間ほどで500万円ほどの未払いがあったと言いますから相当なものです。ニュースには、弁理士は所在が不明だというものと、事情聴取を受けて「返金交渉中」などとしているというものとがあります。どういう順序なんだろう。事情聴取後、所在不明?

▽ 弁理士は比較的まじめな人が多いんで、こういうケースはかなり稀だと思いますが(思いたいが)、一体この方には何があったのでしょうねぇ。

■ 最近はタダでさえ、弁理士の状況をめぐって暗い話が聞こえてくるのに、こういうニュースには本当にがっかりします。
 暗い話? そうなんですよねぇ。
 まぁ、もうすぐ新規合格者がでようという時期ですが、敢えて少しばかり暗い話をば。

■ つい先日、合格発表があったばかりの新司法試験ですが、合格者数は2043人(合格率は 27.6 %)だったそうです。
 法科大学院構想としては今年は2500人以上の合格者を目指していたわけですが、それは叶わない結果になりました。
 この新司法試験では、選択科目の中にいろいろの専門科目があるのですが、その内訳が法務省のサイトで紹介されています(今年のぶんは、http://www.moj.go.jp/SHIKEN/SHINSHIHOU/h21kekka01-5.pdf)。
 それによりますと、

倒産法      596 名
租税法       97 名
経済法      179 名
知財法      307 名
労働法      643 名
環境法       84 名
国際関係法(公)  22 名
国際関係法(私) 115 名

のようになっており、知財法の分野で約300人ほどの合格者がでていることがわかります。
 ちなみに、知財法の問題は、http://www.moj.go.jp/SHIKEN/SHINSHIHOU/h21-22-07jisshi.pdf で見ることができますが、今年の場合、第1問目が職務発明の契約に関わる問題や、冒認出願の問題で、第2問目(全部で2問)が著作権法の問題になってます。どちらも事例問題で、特に第1問目は(部分的には)弁理士の試験で出てきてもおかしくはないような問題かな、と思いました。

■ で、これのどこが暗い話かといいますと、要するに弁理士業が実質的に可能な人材というのが、新司法試験の側から毎年だいたい300名前後供給されているということでありまして、なんだか特許庁あたりは、毎年千人ほどの合格者を出して全部で1万人、とかいう、ずいぶん前に立案された計画を遂行しているようですが、弁理士の試験で千人に調整しようとも、別に少なく見積もっても300人ほどの知財指向の弁護士が誕生し、弁護士は当然に弁理士業を行うことができるので、1万人計画はすでにオーバー気味になってきているってことなわけです。知的財産関係事件のパイが減少傾向にあるなかで、今後を考えると…、ほら、暗い話だ。

■ と、いいますか、そもそも新司法試験で知財法の試験をやってるのに、それと別に弁理士の試験なんて、なぜやらなければならないのか、とかいう議論が出てきたら反論できるんでしょうか。おっと。こういうことをウッカリ言わない方がいいのかな。
 ちなみに、いまのところ、条約関係は特許法 184条の3以下を含めて新司法試験では扱われないらしく(伝聞ですが)、このあたりで弁理士資格の意味を維持できなくはないかなぁという気持ちはあります。いずれにしろ、国際関係の部分を切らさないようにしてかないといけないかもです。
 まぁ、この他にも暗くなるネタはたくさんありますが、あまり多くを書いても仕方ないんで…

■ この辺で、私ら弁理士もそろそろ危機意識みたいなものを共有してもいいかなァという思いはありますが、対策として何をするべきなのか、そういうことが苦手なのも弁理士の弁理士たるところですよねぇ。
 とにかく、うかうかしていると喰われかねない、という意識で、とりあえずはマジメに日々の業務に精励しつつ、お勉強を欠かさないようにするしかないわけですが、何か良い対策があれば、教えて頂きたいなぁ。

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