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2009年7月22日 (水)

動画ばなし

結局東京では、雲が晴れず、部分日食は見られませんでした。最大食分になる時刻には一応気にして空を見上げてみたんですが、みごとな曇天。ただ、心なしかあたりは薄暗くなり、雲の上では食が起きているんだろうなぁと。

▽ 昨日記事にした知り合いは、日食グラスを無駄にしたとぼやいておりましたが、2011年には部分食(といっても、これは北日本でごく一部欠けるのが見られる程度みたい)があり、2012年5月には東京でも金環食がみられるはずだから、まぁ、今回の「投資」が完全に無駄になるわけではないとは思うけど…。

09072201 2011.6.2, AM5:00 ごろ、千歳における部分日食予想図

09072202 2012.5.21, AM 7:39 ごろ、東京における金環日食予想図

※ いずれも Stellarium(http://www.stellarium.org/wiki/index.php/メインページ)による。

■ 東京が曇だったせいもあるのか、インターネットで日食のライブストリーミング中継をしていた国立天文台のサイトにはアクセスが集中して、満足な視聴ができない状態だったそうな。
 私は、NHKが YouTube にアップロードした中継を後から観ましたが、別にライブ中継で観なくても、画像は十分キレイでしたよ?

■ ところで
、この YouTube ですが、著作権的にグレーな映像も多いのですが、最近では著作権者がちゃんとアップロードしているケースも多いようです。驚くべきは、テレビ放映したばかりのプログラムがまるまるアップロードされている場合もあるらしいんです。私が偶々目にしたのは、どうやら深夜に放映されているらしいアニメーション作品だったのですが、英語字幕付きのものを含め(字幕の英語はちょっとアレっぽい気もしましたが)、公式の映像がちゃんとアップロードされているのにビックリしました。
 これで儲けがちゃんと出るんでしょうか

■ 今年の初めごろ、公正取引委員会が日本のアニメーション制作現場での取引上の問題点を述べた報告書を出していました(http://www.jftc.go.jp/pressrelease/09.january/090123houkokusyo01.pdf)。
 ここ十数年ほど連絡がついておりませんが、私の中学時代に親しかった友人がアニメーターをやっているはずで、この報告書を見て、ちょっと彼のことが心配になりました。

■ 報告書は、アニメーションの制作の現状の説明から始まります。
 従来はテレビ局から制作委託を受けた元請制作会社が、下請制作会社へ再委託する方法でアニメーションの制作が行われていたらしいですが、最近では二次利用を目論んだ出資者やテレビ局等からの出資でできた「制作委員会」というのが中間に入り、ここから元請制作会社(元請制作会社も制作委員会へ出資する場合もある)へ制作委託が行われるようになっている模様。

■ ところで問題なのは、

テレビ局>元請制作会社>下請制作会社

という取引上の優越関係が成立していること。
 そして二次利用によって得られた稼ぎが、窓口となった会社にまとめて入った上で、この窓口会社が窓口手数料を取り、テレビ局が局印税を取り、原作者が印税を取ったうえ、残った部分を各出資者で分配するという構造。
 しかも、テレビ局が窓口業務の主体となることを一方的に要求し、さらに窓口手数料や局印税が高額になっているという現状があるようです。

■ 制作費のことについては、私の知らない事情も多いことでしょうが、件の報告書には制作された映像の著作権の帰属についての言及もあります。
 この点でこの公正取引委員会の報告書が指摘するのは、著作権法上の「映画制作者」の定義が曖昧であること、です(アニメーション作品は著作権法上「映画の著作物」に該当する)。
 著作権法上、映画制作者の定義は「映画の著作物の製作に発意と責任を有する者をいう」(2条1項10号)とあり、

□ 第29条第1項 映画の著作物(第十五条第一項、次項又は第三項の規定の適用を受けるものを除く。)の著作権は、その著作者が映画製作者に対し当該映画の著作物の製作に参加することを約束しているときは、当該映画製作者に帰属する。

ということになっているのですが、ここで「制作に発意と責任を有する者」というのの解釈に疑義が生じやすいらしく、強者の論理で解釈がなされているよう。
 基本的には製作費を出資しているテレビ局が「発意と責任を有する」ということで、そもそもテレビ局の総取り状態だったらしい。「制作委員会」方式は、この状態を解消するためのものだったらしく、元請制作会社が制作委員会に出資することで、元請制作会社にも著作権が帰属するようにしたのだとか。
 しかしながら報告書によると出資の有無にかかわらず、二次利用の配分にありつける元請制作会社は約4割だといい、公正取引委員会としては、こうした状況が、上記優越関係を利用したものであるかどうかをさらに調査するなどした上で、独占禁止法、下請法の問題が生じていないかを検討する、ということです。続報は、まだないようですけど。
 …なんか大変な業界らしいですな…というか…いや、自重、自重。

■ 件の皆既日食の映像では地平線にそって一周、夕日か朝焼けのときのような光景がひろがり、幻想的でした。その場にいたら、また感動も一入だったでしょうが、動画+想像補完でも私としてはまったく問題ないです。
 それにしても、この夏は久々に実家に置きっぱなしの赤道儀と望遠鏡とを整備してどっか行ってこようかなぁ。…いまのところ、仕事は少ないし(涙)。

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