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2009年7月21日 (火)

欠ける太陽ばなし

明日は皆既日食ということだけれども、梅雨明け後というのに天気予報では東京地方は雨。せっかくなので好天を望みたいモノだが…。

▽ そういえば知り合いが奄美のほうまで観望に出かけてるんだけど、あっちの天気はどうなんであろう。

■ 知人(東京在住)が、

「皆既日食を見たいんだけどどうしたらいい」

と聞くので、

「東京じゃぁ、皆既になりませんよ。奄美とかそっちへ行かないと」

というと、皆既が見たいわけではなく、単に欠けた太陽が見たいだけだったらしい(そういうのは皆既とは言わず、部分食という)

「なぁんだ。それなら簡単です。黙ってても10時ごろから欠け始めると思いますから段々暗くなってわかりますよ」

と話したところ、無謀なことに、なるべく欠けてるところを見たいのだという。

■ いつぞや
にも書いたはずだけど、太陽の光はとてつもなく明るいので、直接これを見てしまうと、網膜の一部が変色して視覚に影響するそうである。これを日光網膜症と言っているそうだ。
 ちなみに、日食のときには、欠けた太陽をうっかり見つめる人が結構多いらしく、こういう「ウッカリ者」が罹患する網膜症を特に、「日食網膜症」というのだそうである。

■ どうしても見たいというなら、

「セルロイドの下敷きにでも映したらどうです。小学校のときにやりましたが」

と言ったら、どうやら東京天文台のサイトで「それは危険」ということになっているらしい。下敷きでは赤外線を遮断できないので、網膜への影響を避け得ないという。なお、眩しくないからと、長い時間見つめる原因にもなりやすく勧められないそうだ。
 そこで最近では、日食グラスというのも売られて「いた」。いまはもう入手困難のようだが、見たところ、干渉フィルタみたいな感じで、適当な周波数の光を透過させないように工夫したものらしい。
 これと似たものを、むかし見た気がする。あれは水銀灯の光を選択的に遮断するものだったが、きわめて高価だった。今回の日食フィルタは約1500円。まぁ、頑張った、のだろう。

■ しかしながら私としては、赤外線の影響を恐れるくらいなら、そういう「日食グラス」を使った観測もあまりオススメしませんがね、と言っておいた。
 なぜ、というので、

「人間て、レンズとか何かを通して見ている対象を、意外にうっかり直視したくなるみたいなんですよ」

と言っておいた。グラスで見ている方向を確認したり、対象物の位置を合わせたくなったりして、ウッカリ直視するのは、なんか人間の低レベル(遺伝子レベル的な意味)の習性みたいで、必ずフィルタを通して見るというのは意外に訓練が必要なものなんだ。

■ じゃぁ、安全に見るには、と食いつくので、

「テレビで見たらどうです? 曇の日でも絶対にどっかから映像を持ってきてくれますよ。安全だし」

と言ったら、それは嫌だという。贅沢な。
 ならば、残りの方法としては…

「太陽を投影する方法を採るんでしょうかね。あとは」

■ 投影する方法の一つは望遠鏡と、太陽投影板とを使う方法であるが、そんな大規模な設備を用意しなくても、厚紙に1、2ミリ程度の穴を穿ったピンホールをつくれば、これを抜けた太陽光が地面等に太陽の回折像を結ぶ仕掛けをつくることができる。その太陽像は、望遠鏡の太陽投影板を知る人からすると拍子抜けするほど小さいが、確かに欠けて見えるので面白い。
 ピンホールを作ることが面倒という場合、手で軽く「グー」を作って、丸めた人差し指でできる隙間をピンホール代わりにすることもできなくはない。ただしこれは回折像を安定させるのにちょっと慣れがいる。
 葉の多い背高の木がたくさんあるところならば、その葉からこぼれる木漏れ日が、地面に数多くの欠けた太陽像を結ぶことがある。これの観察はとても簡単で、オススメできる。ただ、東京にそういう場所があるかどうかが問題ではある。
 そんなこんなの方法を説明していたのだが、その後、どうやら日食グラスを買ってしまったらしい。
 今回曇ってしまったらどうするんだろう。まぁ、2012年には金環食が見られるはずではあるが。
 皆様も、日食を観望される場合は、くれぐれも数十秒程度の観望に抑えておかれますよう。どうしても長くごらんになりたい場合は、投影法を使うか、テレビの前でご覧ください。
 私? そうですねぇ。 私は指+テレビ、でしょうか。気が向いたらピンホールシートくらいは作るかもですが。

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コメント

新聞記事か何かで見たのですが、ピンホールとして、穴のあいたクラッカーを使うというのがありました。
その記事についていた写真では、1枚のクラッカーに複数の穴があり、回折像も複数できていました。

投稿: eg | 2009年7月22日 (水) 18時06分

eg 様

コメントありがとうございます。
クラッカーですか。うまい。なるほど、穴を開けるまでもありませんね!

フラウンホーファー回折に該当するんだと思いますが、開口関数の形は回折像にあまり影響しないんでしたっけ? そうならばもっといろいろ身近なもので回折像が得られそうです。

投稿: ntakei | 2009年7月23日 (木) 03時43分

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