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2008年12月26日 (金)

選択試験

ここまでしばらくの間、「吉藤を読む」と題して、吉藤先生の「特許法概説」を拾い読みしてきたわけですが、そろそろこのシリーズを終わらせて、次に行きたいかと思います。

▽ と、いって、次に何をやるかをいま決めているわけでもないので、今回は本当の無駄話を。

■ 弁理士の論文式試験では、科目免除を受けないでフルに受験すれば、法律系の必須科目に加え、選択科目を受験することになる。
 過去には数十もあった試験科目のうち3科目を受験した選択科目も、現行では試験科目は、地球工学、機械工学、物理工学、情報通信工学、応用化学、バイオテクノロジー、弁理士の業務に関する法律(民訴、著作、不競など)の7科目のうち一つを選択して受験すればいいらしい。
 で、選択した科目の共通問題と選択問題の2つに解答するようだが、次年度の試験からは、これが変わるそうだ(http://www.jpo.go.jp/torikumi/benrishi/benrishi2/pdf/h21_benrishi_shiken_info/h21_benrishi_sikenseido.pdf)。
 新制度(?)では、理工I(工学)、理工II(数学・物理)、理工III(化学)、理工IV(生物)、理工V(情報)、法律の6科目から1つを選択するらしい。

■ 私なんかは、出身が物理だったものだから、なるべく物理に即した科目を選択したかった。ところがまともに物理学系の科目といえるものは「電磁気学」くらいで、熱力学はどちらかというと化学だし、一般的な力学も量子力学もないし、まぁ現代物理のうち、相対論などは(工学に関わる部分がいまのところ少ないせいだと思うが)なかった。
 結局、私の場合、それで電磁気学、計算機工学、通信工学を選択したが、いまならば、大して考えることなく、「理工II」を採ることになるんだろうなぁ。

■ 受験時代を思い出してみると、電磁気学はファインマン物理学を読みながら、一方で共立出版から出ている演習書を解いてみたりして、久しぶりで楽しかった記憶がある。学生時代には普通に出来ていた事柄なのに、案外忘れていたりしているのも多いこともわかった。
 計算機工学では、一般的なワークステーションの構造なんかは大した知識を得られなかったけれども、並列計算でのメモリ管理とか、プロセッサ内部でのパイプライン処理の具体的なテクニックなどは初めて知るところも多かった。
 そして通信工学は、有線・無線の各種物理的な通信手段から、上位のプロトコルまで幅広く知っておく必要があったので、いろいろな本を読んだものである。

■ そういう「勉強」は---そもそも理学、工学が好きな人間としては---楽しかったし、また、その後の仕事上で使えない、というわけでもなく、なんとなく役に立っていると思う(まぁ、「測量学」、「水産加工学」とかそういうのだと、今の仕事からすると役立たなかったろうけれども)。

■ 選択科目は、ある意味で「楽しい」試験なのである。
 そして受験のエピソードが多いのも、選択試験ならではのことだ。
 私の場合、通信工学で出題された問題の一つ(「Four-wave Mixing」とは何か説明し、その解決策について述べよ、というような問題)については答えに窮して、波長の異なる光信号同士が干渉して、偽の光信号が生じること、などと説明したうえで、波長の設定を変えるだの適当な解答を作り上げておいた。
 分からないで何も書かないよりも、何かを書いておいた方がいいという受験の一般的戦略に乗っ取ったまでのことである。試験終了後、書店に駆け込んで Four-wave Mixing を調べたところ、当たらずとも遠からずであることが分かった。もっとも、その書店で見た本によると、

「決定的な解決策は見出されていない」

とあって、解決策については、分からずじまいだったけれども…。
 また、ある方は、選択科目で、

「パーライトとは何か、説明せよ」

という問題があったとき、パーライトが分からず、

「パーライトが何かは知らない。」

といきなり書き出したうえで、

「しかし、この問題が仮に、『パイライトとは何か、説明せよ』であったとしたら、パイライトとは…」

として、パイライトについて説明してきた、らしい(以前も書いたかな、これ?)。

■ 受験生の身からすると試験科目は少ないにこしたことはないと思うだろうけれども、選択のしようによっては役に立つ勉強ができるわけだし、そもそも大学で専攻していたからといっても、既に忘れていることも多いわけで、選択試験を少なくしたり、大学院を修了していれば免除したりというのは、本来、どうだったのかなぁという気持ちにはなる。じっさい、楽しい試験なのになぁ。
 まぁ、今回の「改正」で、各分野にまたがったような試験がやりやすくなるということでもあるらしく、役に立つ勉強を促進する試験になってくれば面白いのかな。

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