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2008年11月17日 (月)

サイクロンの はなし

ネットワークで、高級腕時計の偽物を販売したというので、商標法違反の容疑で逮捕されたという。高級腕時計といっても、ロレックスなどの製品で、おそらくは偽時計に「ROLEX」などの商標を付したものであろう。

▽ この場合、本物の商標(マーク)を、指定商品の偽物に付したわけだから、問題なく商標法違反に当たる。一方で、いつぞやのセコムステッカーの場合、ステッカーにセコムのマークが付してあったとしても、そのステッカーの販売が、「セコム」商標の商標法違反になるかというと、どうだったのかなぁ。詳しい事情が分からないと断定はできないが。

■ さて、話は変わって。商標に直接関係のある話ではないのだが、ダイソンというメーカーがイライラしているという話である。曰く、実際にはサイクロン方式の性能は高いのに、他社メーカーの「サイクロン方式」の性能が低いために、サイクロン方式自体が性能の低いものだという誤解を招いている、というのである。
 そのへん、実際にはどうなのか、と、国民生活センターでの調査を見てみる。
 もっとも、この国民生活センターでの調査の目的は、「普通の掃除機に比べて、吸引力がすぐ落ちる」という消費者の意見を受けたもので、50gのゴミを吸わせる課程で吸引力がどう変わるか、という調査をしたものだ(http://www.kokusen.go.jp/test/data/s_test/n-20060406_1.html)。

■ wikipedia によると、サイクロン方式自体はダイソン社の発明によるものだという(1983年)。どうやら、この方式、日本で最初に実用化されたらしいが、特許庁でごく簡単に調べてみると、日本での特許権獲得には至っていないみたいだ(もしかしたらよく調べればあるのかもだけど)。まぁ、特許権が獲得されていたとしても、1983年の発明では---出願がそれより何年も遅いとは事案の性質上思えないので---既に特許権はないであろうが。
 国民生活センターの調査には、簡単にサイクロン方式の説明がついているが、基本的な部分の説明が一通りだけのところをみると、各社とも基本的な方式は相違がないみたい。主要な構成に、特許による保護がないわけだ。
 で、その構成であるが、普通の掃除機で紙パックがあるべき位置に、渦流を作り出す機構と、フィルタとを備えた装置が入っているのだそうだ。渦流はメインの渦とサブの渦との2種類があるようで、メインの渦で比較的大きめのゴミを運び、サブの渦で比較的小さめのゴミを運ぶものらしいが、どのようにこの分別が達成されるのかは不明(もとになってるらしい USP 3,425,192を読めばいいんだろうけど、いまちょっと時間がないのだ)。
 どっちの渦流もフィルタを通過する。渦流で運ばれたゴミを、このフィルタで除くわけだが、フィルタにゴミが当たるとフィルタが詰まるのは自明の理で、上記国民生活センターの調査では、コード巻き取りのときに、巻き取り機構の作動に伴ってフィルタに振動を起こす装置が稼働し、フィルタが揺らされて細かいゴミが集塵室内に振り落とされるというものはあるらしい。細かい工夫である。

■ で、肝心の集塵力なんだが、国民生活センターは国産製サイクロン方式3機種、ダイソン製サイクロン方式1機種、ダイレクト集塵式1機種、そして紙パック方式1機種で同じ試験をして調査している。
 国産製の掃除機のほとんどは(方式を問わず)、だいたい初期性能(吸引仕事率)は約500Wで、50g吸い取ったところでの仕事率は紙パック式425Wで第1位、国産サイクロン式3機種は平均360W程度に低下。なるほど国産に限れば、吸引仕事率の低下はサイクロン方式の方が顕著だ。
 さて、

「吸引率が変わらないただ一つの掃除機」

と謳うダイソン製はどうか。
 実をいえばダイソン製、初期性能が175Wと低い。低いが、この低空飛行のまま、ほぼ変化なくゴミ40gまでは吸い取る。そこからやや低下が見られるが、160W程度と、著しい低下はない。ダイソン、看板に偽りはないようだ
 なお、ダイレクト集塵式は40gでダウン、という結果になっている。ちなみに40g集塵時の性能は約300W。あまりたくさんのゴミを一時に吸い取ることには適していないタイプらしい。

■ この結果から、

なぁんだ、ダイソン製は、そもそも性能が低いのか、

という話かというとそうではない
 絨毯上の砂ゴミの除去率は、日本製サイクロン方式の平均約31%、紙パック式42%、ダイレクト集塵方式49%に対して、

ダイソン製サイクロン方式は除去率50%と高い。

ただ、深さ1cmの溝内の砂ゴミとなると、日本製サイクロン方式の平均13%、紙パック式の16%、ダイレクト集塵式15%に対して、ダイソン製12%。あまり高くない(そもそもこの場合あまりどの方式も、効率がよくない。というか、上の評価からすると、性能を吸引仕事率で測ることに問題はないのか??)。
 ダイソン製、確かに、それなりの性能はあるようだ。高いだけのことはあるんだなぁ、と思うが、紙パック式だって十分健闘しているんだよなぁ
 その他、ダイソン製のものは安全性や、操作性に問題があるなどと列挙されているが、調査目的からすると、ちょっと余計な話かなぁと思うので、省略させて頂くことにする。

■ で、何が言いたいのかというと、どうしてダイソンは最初にこの方式を開発したときに「サイクロン」という商標を獲得しなかったのだろう、ということである。

  • 他社のものとは方式が違う、
  • 吸引仕事率の低下が少ない、
  • 排気がキレイ、
  • 紙パックなどの交換部品がいらない(その代わりフィルタ清掃が必要だけど)、

などの特徴を出しやすい名前なのだし、掃除機自体の名称としても悪くないと思うけど。「サイクロン」。
 ちなみに、ダイソン社のウェブサイトの製品情報を見ると、サイクロン方式の掃除機の名称はDCxx(xxには数字が入る)という無機的な名称である。
 もっと方式名を前面に出す商標を押さえてしまい、商品名と方式名とを併せて売っていけば、他社はサイクロン、とは迂闊に言えなくなり、例えば「スピン流」などと名称が変わるために、「他社製とは違う」と言いやすくなるし、

「他社のサイクロン方式のために、自社製品の評価も低い」

ということはなかったのでは、と思うのだが。ま、もっとも、これもハインドサイト(後知恵)であるが。

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