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2008年5月30日 (金)

[弁理士試験]吉藤を読む(10)

昨日は、何だかコカ・コーラの話題がいっぱいでした。

コカ・コーラの例の立体商標について飯村判事が特許庁の審決を取り消したというのです。新聞各紙はこれで登録されたかのような書き振りでしたが、要するに拒絶審決が取り消されただけなので、実際には再度審決に戻るという手順を踏むことになります。といっても大概登録されてしまうのですが。

▽ 一方で、弊所内では、事務の方が何だかお菓子を買ってきてくださって、それにラム漬け葡萄が入っていたのを見て私が、

「ラム酒っていうのは飲んだことがなくて−」

と話したら、意外そうな顔で、

「ラム酒は、コーラで割るとおいしいですよ」

と教えてくれました。それを「ラム・コーク」という、というのですが、どうやらそれは俗称で、一般には、「キューバ・リブレ(Cuba Libre)」というらしい。
 手持ちの "The New International Bartender's Guide", Random House, 1984 からそのキューバ・リブレの作り方を引用すると、
3 oz light rum
juice of 1/2 lime
6 oz chilled cola
slice of lime
を用意。氷を入れたコリンズグラスに、ラムとライムジュース、そしてコーラを注いでまぜ、ライムスライスを添えてすすめる、とのこと。カクテルのうちでは、大変お手軽なレシピかと思われます。なお、コリンズグラスというのはごく一般的な、やや背の高いコップ。興味のある方はお試しあれ(って、私も飲んだことないんだけどね)。

□ International Bartender's Guide の新しめの版

International Bartender's Guide
Random House Inc (P)

■ さて、前回は間接侵害の記載部分を読んでいきました。今回は、「VII 特許権」の「3.特許権侵害」のところです。
 冒頭を見ます。

特許権は財産権の一種であり、これを侵してはならないことは当然である(憲法29条1項)。

これはもう、特許権侵害の救済なんかを論文式の試験で述べるときに、趣旨部で常套的に使われた一文ですが、ここから来ていたのですね。吉藤先生は、特許権の特殊性について次に述べていきます。要するに、

  • 特許権は有体物に対する場合とちがう
  • 権利の客体を事実上占有できない→侵害が容易になされ、侵害の発見が容易でない
  • しかも侵害になるか否かの判断が困難

というのです。そこで、特許権者のために種々の特別規定を設けて特許権侵害の救済方法を講じているというように話を進めます。

■ 留意点
 しかし、具体的な救済方法を論じる前に、吉藤先生は、「留意点」という注意を述べています。要するに司法に訴える前に、事前に特許の有効性等について十分な調査・検討を行うべき、というのです。
 論文試験でもこういう余裕はほしい、という話があって、

「どうも侵害っぽいことをしてるヤツがいる、と、相談された弁理士は何に留意するべきか」

というような問題で、いきなり

「警告状を出せ」

とか言いだす受験生がいたりすると、まずは、

  • 相談してきた人が権利者かどうかとか、
  • 権利が有効に存続してるかとか、
  • 相手の実施権の有無とか

確認しようよ、ということになります。
 もっとも、

「特許権Xについて無権原の者Xの実施行為が、どうも侵害っぽい、と、特許権Xの特許権者から相談された弁理士は何に留意するべきか」

という問題になると、ここで、相談してきた人が権利者かどうか、なんてことを書くとおかしくなります。だって、問題文に特許権者から相談されたって書いてあるんですから。
 結論としては、問題文をよく読んで、条件はちゃんと抽出しましょう、という話です。

■ あ、話が逸れました。
で、救済方法です。ここでは「民事上の救済」と「刑事上の救済」とに分けて話をしていきます。この区別はとても一般的で、「救済について」論じろ、と言われたら、これらに分説すればいいのです。ただ、吉藤先生、民事上の救済については長々書いているのに、刑事上の救済方法となると、この章ではたったの3行で説明を終えられており、実質的な説明は、「XI 特許刑事法」というところに飛んでいます。
 どうしましょうか、とも思うのですが、取りあえず順序通りにしていくとして、今回から開始すると、なんだか中途半端に終わりそうな予感が致しますので、次回、民事上の救済から話を起こしていきたいと思います。まぁ、たいしたことはありません。おおまかには差止請求、損害賠償請求、不当利得返還請求の3つです。
 おっと、初学者の方のために念のため書いておきますと、差止請求は「現在の侵害」に対するもので、損害賠償請求は「過去の侵害」に対するものになります。「侵害があった」という過去の事実から、現実に発生した損害を賠償してもらうのが「損害賠償請求」で、「今後の侵害をやめさせる」のが差止請求、という話になります。

■ 冒頭に書いた、ラム・コークですが、それで思い出したのが、大学時代に先輩たちが話していた、「ミル・コーク」です。どうやら、コーラと牛乳を混合した飲み物という話(ノン・アルコール)なのですが、試してみた記憶があるようなないような…。忘れたい記憶だったのかなぁ。

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コメント

私もキューバリバー好きです。
あまり酒が強くない私にとって、バーでの定番です。

最近、「ゲバラ」って名前で出してるお店を見つけました

投稿: 某企業弁理士 | 2008年6月 1日 (日) 20時08分

コメントありがとうございます。

ゲバラ… なんだか強そうですが、アルコール度数が高いとかそういったことはないのでしょうか…。

投稿: ntakei | 2008年6月 2日 (月) 09時29分

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