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2008年3月 4日 (火)

乱読日記[81]

「図書館の親子」,ジェフ・アボット

図書館の親子
図書館の親子
posted with amazlet on 08.03.04
ジェフ アボット Jeff Abbott 佐藤 耕士
The Mysterious Press,Tokyo (1998/12)
売り上げランキング: 400272
おすすめ度の平均: 4.5
5 軽いけど重い
4 日本もこうなる?

学生時代、物理学の本を買いあさるのに、神田の古本街をよく回った。明倫館書店を筆頭に、当時はまだ理工書も置いていた、大屋書房、四方堂などを巡ったものである。神田の古書店街は、本好きならば一日いても飽きることはないだろう。

▽ いま事務所のある町田にも古書店がある。しかも大きいのが。「高原書店」というその書店は、1Fにマンガやライトノベルのほか、子供向きの絵本などが置かれている。2Fから4Fまではいくつもの部屋に別れて、様々な分野の書籍が所狭しと置いてある。「鉄道ピクトリアル」のような鉄道マニア向け雑誌コーナーまである。ガードナーの古い本がないかと探しに言ったのだが、ハヤカワのポケミスに数冊あったばかりで、それは少々高価だったので、取りあえず諦めた(ポケミスを置いていた部屋の出口付近に、ハヤカワの新書版のSF文庫シリーズがあったのはメッケモノだったが)。

■ 少々がっかりしながら高原書店から出てきて駅へ向かいつつ、ふと見ると、今度はごく普通の古書店があった。店頭には100円の文庫の棚があり、なんとなくそこを見ていたら、この本が目に付いた。
「図書館の親子」、98年の初版本である。初版本といっても需要から見て、それほど価値が認められていないらしい。

 冒頭、ジョーダンの幼少期の思い出が語られる。ひどい嵐の日、肝試しにツリーハウスに集結したのだ。しかし、そこへ竜巻が発生し、皆必死で逃げることになる。命からがら逃げ切った彼らの前に、一つの少女の死体が現れたのであった。
 今回の作品は、前2作(図書館の死体、図書館の美女)に比べると、やや陰のあるストーリーになっている。
 主人公、ジョーダンの幼少期の親友で、しかも姉の夫だった男が突然、町に舞い戻ってきた。しかも別の女性とその息子を連れて。自分や姉を裏切って事情も告げぬまま出ていった男に出会い驚きと怒りを感じるジョーダンであったが、彼の実の息子であるマークに懇願され、男に会いに行くことに。
 ところが、そこでジョーダンが見たものは、何者かに殺された彼の最期であった。それからさらに別の幼なじみが殺され、親友の警察署長、ジューンバッグまでが…。
 幼少期に見たあの死体の少女の事件がちらつく中、様々に気持ちに整理がつかないままに真相に近づいていくジョーダン。そうした主人公の心の機微が巧みに描かれている。
 そして色々な意味で衝撃的な終末を迎え、すべてが白日のもとに明らかになる。

 ジョーダンの心理的側面がずっと暗く、重い感じのまま進行するので、恋人キャンディスとの軽々しいやりとりや、ジョーダンらしいテンポのいい会話はあまり多くない。このシリーズでは、そうした部分も楽しみの一つなので、本書は、そうした楽しみ部分があまりないのはちょっと残念ではある。ただ、単純に犯人探しのミステリーというだけでなく、ジョーダンの心理の変化を通じ、中身の濃い人間小説となっていて、また新しい楽しみができる作品と言えるだろう。

■ 幼少期の友人というと、私の場合、例えば近所の友達も、小学校時代の友人たちも、高校くらいからは学校も別々になりがちで、もう消息もわからない人が殆どである。
 google で何人かの名前を叩いてみると、どうやら小学校時代の友人の一人らしいのが医者になっているらしいのを知った。医者ねぇ。そんな感じでもなかったけどなぁ。それなりに出来るやつだったけど。
 小学校一年のころ仲良くしていて、その後引っ越してしまったF君は、同姓同名の人は google で見つかるのだけど、今一つ当人であるかが確信が持てない。彼とは将棋もずいぶんやったし、よく遊んだものだが。懐かしいな。
 本書を読んでいて、また古い友人に会ってみたくなったが、本書の舞台ミラボーのように、古い友人たちは、皆それぞれに引っ越したり、結婚でいなくなっていたりとしているようで、連絡先もわからないのである。小中学校では同窓会もはっきりしていないし(それでいま、中学の同窓会名簿を見てビックリした。私、同窓会の委員だったんだ)。
 まぁ、思い出は思い出のままにしておくとするか。

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