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2008年3月13日 (木)

長さのはなし

勝手な見解であるが、「停車駅増大の法則」というのがあるような気がする。私の出身地は、「とんねるず」の石橋貴明と同じ東京の北西端、板橋区は成増というところだ(なお、石橋氏は小中学校の先輩にあたる)。この成増には、東武東上線という私鉄の駅(成増駅)がある。池袋から埼玉の寄居あたりまで走る私鉄である。子供の頃、池袋で急行に乗ると、次が成増。その次は志木駅だった(と、記憶している)。成増から志木までの間には、和光市(理化学研究所がある)、朝霞(自衛隊がある)、朝霞台(武蔵野線への乗り換え駅)と3つの駅があるのだが、急行はこれらに停車しなかったわけだ。

▽ ところが、和光市に地下鉄有楽町線が乗り入れるようになってから、急行は成増・和光市・朝霞台・志木と停車するようになった。このままいくと、朝霞に停車する日も近いような…。
 そうやって停車駅が増えたあと、もう一つの法則がある。「車種増大の法則」である。例えば各駅・準急・急行・特急しかなかったのに、いつのまにか「通勤急行」だとかいうのができたりする。そして通勤急行は、急行停車駅が増大したときには、元の急行停車駅だけに停車するとかそんな風になるのだ。

■ 斯くの如く世の中というのは時が経つにつれて複雑になっていくものなのだろうか。
 特許法で出願審査請求や出願公開の制度が出てきたのも、「技術の高度・複雑化による審査遅延」というような遠因があったと記憶している。
 そういわれてみると、むかしむかしは大層短い明細書が多かったのに、近ごろの明細書ときたらなかなか長大で、作成も容易なことではない(だからお前ら弁理士がいるんだろ、と言われると返す言葉もないが)。

■ Patently-O というサイトでの昨年末の統計だが、米国特許出願のクレイム数は、漸増傾向が続いているようだ(http://www.patentlyo.com/patent/2007/12/rising-claim-co.html)。1975年ごろに平均10程度だったものが、2000ごろの平均で20前後。もっとも米国の場合、マルチにペナルティがあるから、クレイム数は自然に日本出願より多くなる傾向にあるわけで、一概に日本と同列に考えることはできないが。
 ちなみに同サイトには、明細書内のワード数という統計もあり(http://www.patentlyo.com/patent/2007/12/does-size-matte.html)、1976年から1987年ごろまではだいたい平均 3700 ワードくらいのところ、1987年ごろから直線的にワード数が増大し、近ごろでは平均 7000 ワードを突破しているらしい。
 内外の出願の場合、ワード数は直接的に翻訳料に関わってくるので、この増大ぶりが内外案件でも同様であるとすると翻訳料の増大につながっているはずだ。
 ちかごろは翻訳者に対する支払いと略同等の翻訳料を提示してくるクライアントも多いのもまぁ、仕方がないところか。

■ ちなみに、脱線を覚悟でいくと、翻訳者に支払う翻訳料がだいたいワードあたりン十円。ワード当たり、というのは本当にワードあたりで、「a」や「the」だって1ワードである。また、数字も1ワードにカウントするので「2ピース」を、「2 pieces」と訳したときは2ワードである。
 native speaker にチェックを要求すると、ワード当たりン円。そのうえで、私らも技術的内容やら妙な言い回しが入っていないかをチェックするから、英訳のコストというのは、3重構造になっているわけだ。仮にこれで赤字になってしまう場合、高い料金で出してくれるクライアントとの差別化のためにも、native チェックを落とすとか、我々のチェック体制を変更することになるしかない。もっとも、このチェックの落ちるか否かの差というのもワードあたり数円の差ではある。7000 ワード平均だと、高々5万円(約500ドル)程度の差ということだ。これを大きいと見るか、どうか。現地代理人のコストとのバランスで考えていくのがベターか。現地代理人のコストもサービスの内容もそれぞれに大きく違うからねぇ。
 あれ? 話が逸れちゃったかな?

■ 電車のそれじゃぁあるまいし、特許については明細書の内容が複雑化する法則はあっても、種類が増大する法則はなさそうだが、明細書が長くなってくると今度は単一性などの問題から「分割出願増大の法則」くらいは現れるかもしれない。

 ところで電車の車種でいうと、小田急線はかなり複雑な気がする。

各駅・準急・急行・特急

のほか、

区間準急、多摩急行、快速急行

とあり、行き先にしても小田原方面のほか、多摩センターや唐木田方面、藤沢方面とバラバラだ。しかも千代田線が乗り入れている区間もあるから、それに乗ってくと、こんどは北千住の方まで行ってしまう。小田原から先の箱根方面というのもある。途中で編成が分割されたりもするし、複雑きわまりない。事務所のある町田から弁理士会のある国会議事堂前までどの車種を使うのが良いのか、いっつも迷うのだ…。

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