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2008年2月12日 (火)

新規料金のはなし

JRの料金は基本的に営業キロ数に基づいて算出される。しかし、これには重要な例外があって、大都市近郊区間(東京、大阪、福岡、新潟)で普通乗車券や回数券を使う場合(定期は経路指定なのでダメなのだ)、例えば新宿から東京駅へ行くときに、山手線でぐるっと回ろうが、中央線で直線的に行ってしまおうが、営業キロ数に関わらず最短距離の料金でよいわけだ(JR旅客営業規則157条2項)。

▽ で、東京近郊区間というのはどこまでかというと、北は上越線の渋川駅、東北本線の黒磯駅あたりまでなのである。先日、この近郊区間の北端近くにあるお客様に伺ったときのこと、早朝に家を出て、埼玉県の某主要駅で乗り換えのために降りてみると、待ち時間が40分もある。そういうわけで、JR駅構内によくあるベックス・コーヒー店に立ち寄った。

■ 注文と料金
 単なる時間潰しのために立ち寄っただけなので、小さめのコーヒーを頼むことにして、深煎りのSサイズ(210円)を選んだ。そしてたまたまレジの目の前の席が空いていたために、そこへ座ってコーヒーをすすりつつ、文庫本を広げた。

 そのとき、客と店員との会話が耳に入ってきた。
 というのも、そのお客さんはメニューにない注文をしたからだ。

「ホット1つ」

 まぁ、ホットコーヒーと言いたいわけで、メニューにあるといえばあるのだが、種類がいくつかあるわけで(ブレンドと深煎りなど)、当然に店員が聞き返すと思っていたら、店員は間髪を入れず、

「310円です」

という。これはブレンドでもLサイズの料金である。商品を特定しないと自動的にLサイズになるんだろうか。よくわからない。

■ 早期審査請求の料金
 特許の早期審査請求は、この審査遅延の激しい昨今では、戦略的な重要性を増している制度である。特に関連米国出願がある場合、ハイウェイとも併せて使用すれば米国での審査も迅速に行わせることができる可能性があるのである。米国審査はとんでもなく遅延しているので、迅速審査のための制度は今後ますます重要になるかも知れない。
 と、いうわけで、弊所でも早期審査の請求の問い合わせはいくつかあるのだが、問題はその料金である。諸般の理由から廃止された弁理士会共通の料金表(会令7号)によると、早期審査請求の事情説明書の作成、手続の料金は13万円ということになっている。

 むろん、いまはこの会令7号に従う義務も理由もないので、13万円を請求する必要はない。だいたい、例えば個人出願人で、「出願人は個人である」という理由だけ提出するのであれば、こんな料金は理由がないと言ってもいいだろう(支払ってくれるというなら請求してもいいという人も多かろうが、私の場合、かなり気が引ける)。
 仮にこの事情説明書の料金について、会令7号を無視して考えてみると、事情説明書に先行技術との対比を入れるとすれば意見書の先出しに近いわけで、それならば6,7万円前後(ページ数等によって異なる)というのが適当な線であろう。それがなければ1万円前後か。
 意見書相当の場合、相応の作成時間と手間がかかるわけで、それ相当の料金は頂きたいというのが本音であるわけだ。
 また、この事情説明書を提出しても早期審査に必ずしもかかるわけではなく、はねられる可能性も---かなり小さいが---否定できない。とすれば、ますます会令7号の料金は請求しにくい。
 一体全体13万円の根拠は何だったのか、と思うわけだが、もしかすると基本料金のみで請求することを勘案して、意見書の高い方を請求することにしてたんじゃないだろうなぁ…(ベックスみたいに)。

■ 分割出願の説明上申書
 というわけで、事務所の料金表を整備しようとするとき、単に会令7号をコピって終わり、ということも---少なくとも個人的には---しにくいのであるが、それでも会令7号は、一応の基準として参考にはなるわけだ。
 まぁ、このほかにも、2年程前に弁理士会が行ったアンケート(http://www.jpaa.or.jp/commision/pdf/h18ank-b.pdf)というのも参考にできるが、おおよそ最頻値をとれば会令7号と大差ないことがわかる。

 しかし、ここに会令7号にない料金項目が現れた。それが分割出願の説明の上申書である。この上申書には、元の出願との関係や、他の特許出願に係る拒絶理由を解消していることの説明などを記載するわけである(http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/t_tokkyo/shinsa/bunkatu_yousei.htm)。
 基本的に、この書面もまた意見書類似の性格をもつので、一般的には6,7万円前後の料金になるのが妥当であろうと思う。ただし単一性要件違反のクリアなど、上申書の作成も容易な場合がありそうなので、意見書と同様に基本料金を設けるのが妥当かどうかが難しい。事情説明書と同様に、負担に応じた料金表にしてみたいと思う。

 ただ、こういうのがあったときに、外国代理人みたいに、うまいこと言って料金値上げを図るのが「やり手」というやつなんだろうがなぁ…。まぁ、外国のばあい、基本的に作業時間単位(hourly rate)で計算するので、妥当な線で請求していれば納得性が出てしまうのであるが。日本では hourly rate の導入は難しいからなぁ。

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