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2008年2月14日 (木)

ある詐称のはなし

そういえば、今日はバレンタイン・デーということである。生まれてこの方、「本命チョコ」なるものを頂いたことのない私としては、あまり関係ない日ではある。ただ女性の皆さまのこの日にかける真剣度の現れなのか、または菓子メーカーの真剣度の現れなのか、毎年11月ごろから「チョコレート船団」とでも言いたくなる貨物が外国から大量輸送されてくる、というのは、某大手輸送会社に勤めておられた知人のはなし。

さて、こちらの話も本人にとっては真剣かつ深刻な問題なので、「他愛ない話」などといっては失礼だとは思う。思うけれども、この種の記事はいつもどこか力が抜けている感じがして、「他愛ない」なぁと感じてしまうのである。

▽ 何の話か、いや ITmedia というところの記事で、結婚サイトの現実、みたいな記事があって、そこで「結婚相手のサーチに引っ掛からない男性の例」として、低学歴だとか無職だとかいうのが例示列挙されてあったんだ。で、ふと「学歴詐称」という単語が思いついたという次第。

■ その詐称
 なんだか特許庁が、WIPO 事務局長擁立を始めたようだ(http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/puresu/press_wipo_election.htm)。実をいえば現事務局長の任期が来年11月までであるので、「気の早い話」か、というとそうでもない。というのは現事務局長、この秋にも早期退任を示唆しているからである。

なにがあったのか。

実は、イドリス現事務局長について、年齢詐称があったことが分かってしまったことが原因なのだ。
 イドリス氏は、1954年8月26日生まれであるという。しかし本人は、1945年8月26日生まれと詐称して WIPO に就職したのである。

■ WIPO 総会紛糾
 そのイドリス氏、WIPO 内ではとんとん拍子に昇進して、入局から15年あまりで事務局長にまで昇り詰めた。しかし、この昇進についても欧米からは、

「年齢詐称なくしてこの昇進はなかった」

という批判がおきた。
 そうして欧米等の先進国が退任を求めたのに対して、発展途上国はこのイドリス氏を擁護しているため、結局、先進国と途上国との対立が生まれてしまい、昨年の年次総会は紛糾して予算案まで否決される騒ぎだったという。
 まぁ、この 45年と54年という違いは大層微妙で、本人いわく

「タイポだ」

ということになるらしい。一方で昇進・昇給の状態を考えれば、たとえタイポであっても後から誤りに気づきそうなものだとも思うのだが、この辺はどうなのだろうか。

■ 高木氏
 さて、日本が擁立する候補は高木善幸氏。昭和30年生まれ。現在52才である。
 昭和53年に京都大学の工学部を卒業し、特許庁に入庁、審査官の経験を経て WIPO で既に15年あまりの経験をもち、現在は執行役部長としてイドリス事務局長を支える立場だ。
 と、あるニュースによるとブラジルやフィリピンでも候補者の擁立を進めているといい、今後の選挙戦の激化は避け得ない状況の模様。日本の選挙対策の奏効具合は如何。

 まぁ、私個人としては、どなたが WIPO の事務局長であろうと、遠い世界の話のように思えてしまうのであるが、日本から事務局長を出すメリットというのが何かあるんだろうか。このあたりのことはよく分からない。

□高木氏の著書:

ガットとウルグアイ・ラウンド―WTOの発足
高瀬 保 渡辺 頼純 赤阪 清隆 高木 善幸
東洋経済新報社 (1995/05)
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■ 今回の事務局長の年齢詐称が故意であったか過失であったかはともかく、暴露されるまでは事務局の運営に支障はなかったのだから、特段問題視する理由というのも分からないのであるが、求婚のためにさし出す情報に詐称があるというのでは、後々の禍根が大きそうである。そういえば、とある民法の教科書には、

A女との婚姻の手続の後、相手が実は男であったことが判明した場合は、結婚の契約は無効

だとかなんだとか、そんな例が載っていたような気がする(どういう例じゃ、と見たときに思ったが、どこかに判例はあるらしい。外国判例だったような記憶もあるが…)。まぁ、こうした性別の詐称は大問題だと思うが(極めて稀であろうが)、学歴くらいだとどうなんだろう。そんなに重要なファクターだろうか。こちらもよく分からない。

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