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2008年2月 7日 (木)

KY式むだばなし

英和辞典の編集作業では、単語ごとに既刊の英和辞典での語釈等を切り張りしたボードを参照し、内容を決めていくという。私が大学受験をしていた頃、英和辞典の最高峰、というか、受験用辞書の定番というと、研究社の「新英和中辞典」であった。これはだいたいの高校教師がネタ本の一つに「新英和大辞典」を所蔵していたことに基づく「神話的」存在だったのだと個人的には思っていて、特段受験用に適切だとは考えず、私は小学館の「プログレッシブ」を愛用していた。

▽ そんな折であった、大修館書店から「ジーニアス」という決定的な受験用辞書が現れたのは。この「ジーニアス」、故・小西友七先生(1917-2006)の編集によるもので、受験用に的確な語釈と豊富な語法・例文で瞬く間に受験界のスタンダードとなったのであった。

 iTunes Store(Japan)

■ KY
 その大修館書店、この度、新書刊の書籍で「KY式日本語―ローマ字略語がなぜ流行るのか 」というのを出すらしい。
 この本、KY、いまでは言わずと知れた「空気読めない」のローマ字表記を略したものである。もともとは 2ch で頻繁に使われていた「空気嫁(空気読めを故意に誤記したもの)」が起源かと思う。流行に疎い私はこの「KY」の他に、「KY式」の語をあまり知らないのであるが、なんとまぁ、他にも相当のバリエーションがあって辞書になるほどなわけである。

 大修館書店の「KY式日本語」のウェブサイトには「KY」に関わる語だけで、

  • AKY
  • KB
  • KYB
  • KYDJ
  • KYG
  • SKY
  • RKY
  • KY2
  • KYKK

と大量にある。それぞれ何が何かお分かりだろうか。

 同サイトのページ例によると無理のありそうな単語も多いんだが、こういうのはノリで読むものだから、まぁ、構わないのであろう。

 そういえば今朝の J-Wave で、本書の編集者がインタビューを受けていた。日本語の将来として心配なことはないか、というように問われて当の編集者は、語尾で意味の変わる日本語としての特性がKY語で変わってしまう畏れはあるかも、と言っていた。要するに、「KY」といって、

空気読めない

ともとれるし、

空気が読める

ともとれるわけでこれらの区別がなくなると日本語としてどうか、という話。
 ま、お遊びであろうから、今後、すべてが「KY式」になるわけでもあるまい。杞憂であろう。

■ コード
 ところで特許事務所の一部では、所員を人名コードと呼ばれる英字2字で表すことが多い。例えば

山田太郎

であれば「YT」にする。仮に、ヤマダくんのほかに

山下太一郎

が入ってくると「YT」が先取されているので、名字だけから「YM」にしてみたりする。
 そこで私が昔所属していた事務所にはこれがまた、「KY」というコードの御方がおられた。「KY」と言われると、なんだかこう、その人が思い出されて…。いや、それだけではなく、「KY式」の語を見ていると、表記の共通する人物が思い起こされてまたいろいろと…。

 同じように国名もまた、コード化されていて、PCTなどの出願で使われているのであるが、この国コード、ISO3166 で定められている。ちなみに国コードで「KY」というと、ケイマン諸島(Cayman Islands)が相当する。ケイマン諸島、オフショアで著名であり、課税回避のために法人がおかれることも多いといい、OECDあたりからいろいろ言われているあたり、「KY」っぽいのだろうか???

■ ついでだから特許用語もこの伝で短くしてみたらどうか。KR(拒絶理由)とか、TS(特許査定)とか、YF(予納金不足)とか…。

「ちかごろKYKR多いよなー」

とか言ってみるとか。
 クレイムもKY式で書いてみるとか。

SK1KS表示装置DAT、ZKディスプレイは、液晶ディスプレイDAK、TCS表示装置(請求項1記載の表示装置であって、前記ディスプレイは、液晶ディスプレイであることを特徴とする表示装置)。

とか。
 ……いや、やっぱ馴染まないな。

□「KY式日本語」

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