« 鉄道模型の信号機 | トップページ | [弁理士試験]条約案内(13) »

2007年10月 4日 (木)

まけてくれ、というはなし

ーロッパの街並みや建造物に憧れを持つ人は少なくないと思う。例えばルーブル美術館などは現代的な建物だとは思うけれども、デザイン的に奇抜すぎて景観を壊しているということはない。美しい景観を維持する意識が高いのだろうか。もっとも、私は実際に訪れたことはなく、「ダ・ヴィンチ・コード」など、映像で観ているに過ぎないけれど。

□ DVD は、本を読んでから観た。多少端折ってたけど、映画としてはよくできている。smart でパリの街を疾走するシーンは、なかなかの見物。

▽ ルーブル美術館のあるフランス、パリは、ある人にいわせると、

金があって楽しいのはパリ。
金がなくても楽しいのはパリ。

なんだそうで、その趣旨はよく分からないが…

■ フランスの特許制度
 フランスはヨーロッパ特許条約(EPC)の枠内なので、いま、パリ条約を使って直接フランスへ出願することはほとんど稀である。
 フランスといえば、伝統的に無審査主義を採用していて、イメージとしては、どでかい包袋(file wrapper)の中に出願書類等の一式を詰め込んで保管し、

はい、登録完了。

とでも言いそうな制度だった。
 しかし、数年前から出願人による新規性調査制度というのが導入されている。優先日から18月以内にこの調査を請求すると、新規性に関する調査が行われ、その結果が公開されるのである。出願人としては、調査結果の公開に先だって示される調査報告案に対応して、意見・補正を行うことができるようになっている。
 仮に、新規性調査を請求しないと、権利期間の短い、実用特許として登録されることになる。

 さて、かかるフランスの特許制度であるが、今年の初めごろにさらに改正が行われたということである。上記のような意味で大層稀なことに、フランスへパリルートで出願をしていた案件について、先頃フランスの代理人から、

なんか、特許庁が、他国の審査で引用された文献を出せっていってるんだけど

という通知がきた。

■ 頼りにならない?
 この代理人のコメントがなにぶん、他人事のようなコメントなので、クライアントと相談して、何を出せというのか問い合わせることにした。
 引用文献のリストを出せ、というのか、それとも関連性を示す記述みたいなのが必要なのか、はたまた全文出せというのか。そしてそれをフランス語で提出しろということなのか。
 オプションによっては、高額な費用がかかるので大問題なのである。

 これに対する現地からの回答は、これまた要を得ないものだった。
 仕方なく、現地の特許庁ウェブサイトをみてみると、これがフランス語でしか書かれていない。
     結論として、フランスは必ずEPで出せ
ってことだなっ、と心の中で罵りつつ、心許ないフランス語文法の知識を寄せ集め、辞書を引き引きフランス語条文を解読したところによると、どうもリストを提出するのが基本らしい。関連性を示すテキストだとか、仮にそういうものを出す場合は、フランス語で出せとある、ようだ…なぁと
 それならば基本的な線で、「リストだけでよいのではないか。不足なら言いたまえ。」というコメントとともに現地へ送付すると、現地から

提出した

と言ってきた。リストだけで良かったのかどうなのか、どうして何も言わないんだ、と思っていたら、さらに現地から驚くようなものがきた。

■ …。
 それは invoice(請求書)である。アトーニー・フィー(代理人手数料)を求めてきたものだ。そりゃ、提出時にいくばくかを取るのが代理人というものだが、その額をみて、事務の女性とともにのけぞってしまった。

ばか高っ!

 現地のやったことといえば、こちらが用意したリストをそのまま特許庁へ提出しただけのことである。書類の整備もしていないわけで、提出用のカガミを付けただけのことだろう。事務の女性も、

向こう、何もしてませんよねぇ。

と呆れ顔だ。結局クライアントからも文句がついて、相手方にディスカウントを要求することになった。いわく、こっちから送ったリストだしただけじゃん、というわけだ。
 現地からの回答で、ほぼ半額まで減額してきたが、それでもやや高い印象が否めない額である。かといって、これ以上通信に金をかけてもバカバカシイ。現地曰く、高額である理由として

だって、初めての処理だったんだもん

 それがプロの発言かよぅ… orz...

■ いや、実をいえば対ヨーロッパ代理人に、ディスカウント要求を出すのは、よくあることである。日本でも弁理士資格というと、なにやら高給取りのように思われているようだが、実のところはバラツキが大きくて、一般サラリーマンと大きく変わるわけでもない。稼いだところで天井は多寡が知れていて、

個人事業としては大したことないんですね

と、知りあいの医者にまで言われたほどだ。
 ところが、ヨーロッパの代理人というのは、これが何というか、特権階級みたいな生活をしている連中が多いように思うのである。現地の生活コストや社会保障のしくみみたいなものが効いているのかも知れないが、そういう優雅な生活をしている連中から、こういう言い訳にもならない発言が沸いてでるかと思うと…。
 わたしゃもう、情けなくて涙もでないよ

|

« 鉄道模型の信号機 | トップページ | [弁理士試験]条約案内(13) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: まけてくれ、というはなし:

» 私学薬学部の偏差値順位表 [私学薬学部の偏差値]
薬学部の最近の傾向としては、6年制への移行が影響しているのでしょうが、希望者が減少していると言われています。さらに、薬学部の新設などもあり、全体的には、低下傾向にあると考えてよさそうです。とは言っても、高いところは相変わらずで、難関校のレベルは続いています。  私学の薬学部ならどこでもという方なら、一時期と比べると、やや楽になってきているといえます。  ~63 東京理大  ~62 共立薬科  ~61 京都薬科  ~60 北里、大阪薬科、福岡  ~59 星、近畿  ~58 明治薬科、名城、神戸薬科 ... [続きを読む]

受信: 2007年10月 4日 (木) 04時15分

« 鉄道模型の信号機 | トップページ | [弁理士試験]条約案内(13) »