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2007年9月21日 (金)

[弁理士試験]条約案内(11)

弁理士論文試験の結果が特許庁に掲示されております。受験生のみなさまはいかがだったでしょうか。本年は589名。一時期よりぐっと減った感が否めませんが、これもまた、種々の要因があるのでしょうねぇ。ともあれ、合格された方は口述試験という最終関門を必ず突破するべく、1つでも、口述答練会へ出席されることをお勧めいたします。弁理士各会派で行われておりますので、お近くの弁理士に相談されるとよろしいかと。

▽ 例えば、私が幽霊会員として所属しております春秋会でも口述練習会が行われますので、ご案内まで。
http://shunju.gr.jp/

■ さて、前回はパリ条約をそろそろ脱して特許協力条約(PCT)へ進みたいなぁ、というような話で終わりました。パリ条約については、いままでご案内してきた各規定のほかにもまだ、管理規定のような大きい部分があります。試験にでないわけでもありませんが、あまりご紹介して面白い部分でもありませんので、さっさとPCTへ進みたいのです。

■ 動いているPCT(初学者の方は読み飛ばして下さい)
 私が受験生だった10年ほど前、PCTの出願手続は今と大分違うものでした。最近のような手続になったのは、ここ4,5年ほどのことじゃないかと思います。や、どういうことかというと、chapter 2 に入らなくても国内移行期間が20月から30月に延び、国際調査報告の内容が充実してきたわけです。おかげで(?)、chapter 2 に入る出願が少なくなりました。
 また、PCTは常に進化していて、WIPO のウェブページでニュースレター送付を登録しておくと、時折ニュースレターの案内がきます。つい先日(9月15日)にも、案内がきており、米ドルで支払える国の拡大などが伝えられています。
 しばらく手続をしていないと、どっきりするほど手続の内容が変わっている制度でもあるのです。PCTは。

■ 二重構造のPCT

 しかしながら、条約自体の構造は以前から大きく変わってはおりません。
 この条約のメインパートは、chapter 1 と chapter 2 です。しかし実際には、chapter 2 の規定は、chapter 1 における手続の一部を

ちょっと変えて作りました

という雰囲気になっており、並行的に勉強を進めるのが手っ取り早い条文理解の方法です。
 ただし、chapter 1 と chapter 2 とを混同しないように。

 chapter 1 の手続は、どの国際特許出願も経過する手続が配列されています。一方で、chapter 2 の手続は、国際予備審査の請求をしなければ進行しません。

 そこでまずは chapter 1 の手続を見ていきたいのですが、その前に。

■ PCTの趣旨
 PCTがないと、出願人には、どんなにがんばってもパリ条約に定められた以上の利益が齎されません。パリ条約の手続というのは、各国ごとの手続と異なるところがないので、出願人としては各国毎に一々違う手続を取ることになります。まぁ、基本的に2,3カ国であればそれほど問題はないのですが、10も20もありますと、どの国がどんな制度だったか、すぐに思い出せない国もでてきます。例えば先日も、

カナダってさ、グレースピリオドあったっけ?

と所内の人から聞かれたわけです。即答できませんでしたとも
※ one year rule があります。

 これをなんとか手続的なところだけでも統一できないか。そっちの方が各国特許庁だって楽なはずだ、というあるいみ、いかにもアメリカンな考えから、このPCTができあがりました。したがってその第一義的な趣旨というのは、

 出願人、及び各国特許庁の労力の低減

ということになります。
 また、別の側面ですが、

 技術情報の拡散

みたいなところも趣旨としてあったわけです。

 その手続方式は、一つの出願をもって、各国出願の束として扱うこと、そして統一的な見解を得られる調査を提供することなどとなっています。詳しい手続の内容は来週以降に致しましょう。

□手続的な話ならば、この本を:
 すこーし古くなりかけてますが、まだ現役で大丈夫です。オススメできます。

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