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2007年9月27日 (木)

公報以外の引例のはなし

気づきの方も多いと思うのだが、サイドバーに「コラブロ」というツールを貼り付けた。サービス概要からすると、なんだか企業からの

「ウチの製品の記事を書いてくれ」

という要望に答えると、それなりに報酬が貰えるというものらしいが、私の興味は、むしろ「サイト分析」にあった。後で知ったところによると、このツール、週に一回以下というタイミングで分析をするので、いまひとつ精度が悪いのは当然かもしれない。

▽ それでも、どうして「パソコン・インターネット・IT」に関する記事が多いと分析されちゃうんだろう。いや、特許関係の記事が「その他」に入り込んでるのかな?
 「インターネット出願」なんてのは、どっちに分類されてるのかな?

■ 引用非特許文献
 特許出願の拒絶理由通知では、多くの場合、「引用文献」の指摘が含まれる。
 いわく、

「本願の請求項1記載の発明は、引用文献1記載のものから当業者が容易に為し得たものと認められる」

とかいう理由で、拒絶理由が通知されるわけである。
 この引用文献、特許庁の当然のサーチ範囲として、先に出願された特許の公報などを用いることも多いのだが、分野によっては、特許公報ではなくて、雑誌記事なんかが引用されることがある。アスキーの「UNIX マガジン」などギリギリ技術系のものから、例えばゲームに係る発明に対して「ファミコン通信」だとかまで引用されてきたりする。さらにことによると、

こ、こんなの読んでんの!?

と、ちょっと赤面しちゃうような雑誌やらマニュアルやらが引用されてきたりすることもあって、よく知っているなぁと感心する
 あ、いや、そうではなくて。こういう、特許公報外の文献を、引用非特許文献ということがある。
 なんだか、その昔、肝炎のタイプの分別ができなくて、A型、B型、に続いて、

非A非B

とかいうタイプがあったのに似た名称だという気がするが(ようするに「その他感」がある)、それはそれとして、この引用非特許文献の入手というのはなかなか難しかったのである。
 まぁ、それなりにJAPIO(財団法人 日本特許情報機構)などで複写サービスが受けられるんじゃないかと思うけど、一々文献複写を依頼していたわけである。

■著作権法の改正
 それが、この10月1日以降、特許庁から拒絶理由通知とともに送られてくることになった。それというのも、著作権法の改正が行われたからだ。

□ 著作権法第四十二条 著作物は、裁判手続のために必要と認められる場合及び立法又は行政の目的のために内部資料として必要と認められる場合には、その必要と認められる限度において、複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
2 次に掲げる手続のために必要と認められる場合についても、前項と同様とする。
一  行政庁の行う特許、意匠若しくは商標に関する審査、実用新案に関する技術的な評価又は国際出願(特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律(昭和五十三年法律第三十号)第二条に規定する国際出願をいう。)に関する国際調査若しくは国際予備審査に関する手続
…以下略

 ここにあるのを続けて読めば、「行政庁の行う特許…に関する審査…に関する手続−のために必要と認められる場合、その必要と認められる限度において、複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。」ということになる。

 このうち、「手続のために必要と認められる場合」というのが重要で、送られてきたから、その引用非特許文献を自由に複写して配付してよいわけでもないんだ。
 例えば代理人が受け取って、出願人(クライアント)に渡したい場合、拒絶理由通知への応答に必要な限度で送るのであれば許されるものの、

先日別件で貰った引用非特許文献にこんなことが書いてありまして…

みたいに言って複写するのは著作権法に照してアウトになってしまう。あくまで事件ごと、と考えるべきなんだ。

■ この点については、誰よりも特許庁がピリピリしているんじゃないかと思う。
 まぁ、特許庁が著作権侵害でやり玉にあげられたら、かなり問題だろうから、これは当然といえば当然のことだろう。
 例えば、インターネット出願ソフトの新バージョンの説明によれば(http://www.pcinfo.jpo.go.jp/inet/info/02.html#UP-i140)、

引用非特許文献は、拒絶理由通知書などの通知書類と共に発送されます

などとあって、飽くまでも拒絶理由通知と一緒にして(それが拒絶引例の場合)送ることにしているようなんだ。
 容量越えで、紙発送になる場合は、拒絶理由通知も一緒に紙発送になるという。つまり、このときには、拒絶理由通知のオンラインでの発送はないらしい。仮にこのオンラインの発送目録で中間処理の事務管理をしているとしたら、このことが盲点にならないように注意すべきだ。もっともこれはかなり稀なケースだろうけど。いや、稀なケースだからこそ、問題になるときにはなるんだよな。

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