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2007年6月29日 (金)

弁理士の日から、よしなし事を…

硫黄による架橋は、高分子の世界では一般的なもので、例えば髪の毛の剛性を生み出すし、ゴムを加工するのに欠かせない。ゴムの架橋反応は、1839年に、チャールズ・グッドイヤーによって発見された。彼はこの発見で特許権を取得したが、wikipedia の記載によると、侵害事件が後を絶たなかったらしい。多くの場合差止めを勝ち得たようだが、彼自身は貧乏のうちに亡くなっているらしい。7月1日は、そのグッドイヤーの祥月命日である。

▽ そして、7月1日は、弁理士法の前身ともいえる、特許代理業者登録規則の施行日でもあり、それを記念して「弁理士の日」と、なっている。だからといって、休日ではない。今年は偶々日曜日であり、弁理士試験の2次試験の日にもなっているけれども。

■と、いうわけで、本来ならば「弁理士試験」関係の記事の曜日なのでありますが、1次試験のときと同様、「直前に妙な情報を出して混乱させてしまっても…」というわけで、今回も試験関係記事は、一回休みにさせていただきます。
 いや、しかし奇遇なのか故意になのか、弁理士の日に試験が行われるとは、何かの縁でしょうか(あ、違うか)。
 弁理士の前身といわれているのは、東京特許代言社の社員(?)の方々ですが、これは特許局の事務官が、初代特許庁長官の高橋是清に、

「外国には弁理士(当時その言葉はなかっただろうから事務弁護士とでも言ったかしら)というのがいるらしいが、誰かやらないか」

と言われて始めたという説を聞いたことがあります。真実かどうかは知らない、知らない。

■高橋是清というと、歴史を知っている人ならば、2.26事件で有名なのでしょうが、実は、我が国の特許制度に大層尽力された方であり、上にも書きましたが初代特許庁長官ということになっています。なお「話せばわかる」「問答無用」のやりとりが2.26事件だと思っていた私は、かえすがえす日本史の知識が足りません(上記のやりとりは5.15事件のもの)。

 特許庁のウェブサイトには、高橋是清の時代の面白い逸話がいくつか載せられています(http://www.jpo.go.jp/seido/rekishi/kore.htm ---「kore.htm」もすごいファイル名ですな)。一部を引用してみますと、

 ある発明狂が棺桶の特許を出願したが拒絶されたため、特許局に抗議を行った。このとき発明狂に追いかけられた是清は、テーブルの周りを七周半も逃げ回ったという。

というのがあります。長官室まで殴り込みをはかるとは、おどろいた発明狂があったものですが、当時も今も、拒絶査定に対して感情的になる向きが多いのでしょうか。
 なお、「棺桶」の語で、私の脳内「人工無能」にヒットしたのが特開2004−133901号公報の「月面宇宙葬方法及び月面宇宙葬システム」ですが、いま、特許庁で最終処分を照会してみましたら、国内優先までかけて頑張っていたはずなのに、未審査請求で取下げ擬制されてしまっていました。

■高橋是清邸は、東京の青山通り(246号)沿いにあったらしく、その邸宅跡が高橋是清翁記念公園という公園になっています。場所でいえば、地下鉄、青山一丁目駅と赤坂見附駅との間、どちらかというと青山一丁目のほうが近いかと思います。青山一丁目から赤坂見附へ向かう途中の右手側にあり、豊川稲荷より手前にあります。なお、その先、赤坂見附方面へさらに歩いていくと、右手側に羊羹で著名な「とらや」があります。時折、事務所へお土産に買うのですが、時季に応じて商品が変わり、羊羹といってもおもしろいものがあります。

 いや、公園のことです。246沿いという場所柄ながら、なかなか緑も多くて快適な公園です。ちょっと奥まったところに、翁の銅像があります。
 遊具などは少なく、公園といっても、子供が遊ぶ場所というよりは、ちょっとした憩いの場所という感じです。2.26事件では、ここで殺害されたという場所でもあり、そういう意味では鬱蒼とした緑に囲まれて、ちょっと怖いような、そうでもないような…。

■是清邸自体は、東京西部にある小金井公園の「江戸東京たてもの園」というところに移設されています。小金井公園は、東京の中央線、武蔵小金井という駅から徒歩で15分ほどでしょうか。バスだと5分ほどと言いますが、小金井街道という1車線の「幹線道路」を通りますので、大抵混雑しています。だいぶ以前に行ったことがあるんですが、是清邸の記憶がありません。庭園の一部も再現されているというので、おそらく通ったのでしょうが、こんど、適当な折りにまた行ってみようかと思います。

■と、思いつくままに書いてきましたが、まさか受験生のみなさんは、こんな文章読んでませんよね。読んでいたとしたら申し上げますが、

・当日は、試験に遅刻などは絶対にしないように。
・会場間違いは、その場で申告すれば何とかなる場合があるようですが、間違いなく、指定の会場に向かって下さい。
・その場では、持てる知識と文章構成能力を最大限に発揮して。
・わからない問題にも諦めずに、法の趣旨に従って「らしい」ことを。

それでは、頑張ってきて下さい(だから読んでないって?)。

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