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2007年6月 4日 (月)

ヤリ手なひと

先月は自動車税の納付月だった。東京都は、pay-easy(http://www.pay-easy.jp/)とかいうネット支払システムで納付ができるようになっているので、携帯電話で納付を完了。コンビニより便利になっている。ところで、この pay-easy という団体、どうやら大手銀行がいろいろ参画している模様。こういう団体の理事とかいうと、もう生活に心配のない人たちなんだろうなぁ…と思うと、税金の支払操作をする手もちょっと止まっちゃったりして。いや、支払ったけどね。

▽ また今年は税率の構造が変わったのだそうで、税金などに詳しい同僚が「税源移譲の罠」について説明してくれた。それはそれで何となく分かった気にはなったが、まぁしかし、所得税も1800万円を超えると一律40%なんだそうで、税率はそれ以上大きくならない。ということは、中途半端な稼ぎのために税率の段差に落ち込んで、稼いだ割には実入りが減るということがないようにできている。いずれにしろ、羨ましい身分だ…と思うが、脱税者というのは、それでも足らねぇ、という人たちなのだろうか※。

[※]弊所の税金の大家にいわせると、そうじゃなくて、高収入のときには取られるのに、収入が減っても返してくれないところが問題なんだそうだ。うーん、やっぱり高額収入者は、考えることがちがう。

■ 遅まきなニュースであるが、先週の中ごろ、米国の携帯電話会社(Qualcomm とかだろうか)からの特許権ライセンス仲介をしているというコンサルタントが6億ばかりを脱税していたとのニュースを聞いた。
 脱税額6億というと、一体全体収入自体がいかほどなのか、もうジャンボ級の宝くじが何回も連続で当たったようなものだのだろうが、それにしても特許でそれだけ稼げるとは。しかも、この人は弁理士でも弁護士でもない。知りあいのなかには、

コツコツ明細書書いているのが馬鹿馬鹿しくなってきた

という人もいた。みなさん、弁理士試験なんて受験している場合じゃないのでは…とか言ってみたりして

■ 携帯電話機も、あの筐体の中身はかなりの特許権が入り組んでいてクリアランスが並々でないと思う。例えば FOMA など近年の携帯電話機では、通信方式であるCDMA(Code Division Multiple Access)方式自体が、 Qualcomm の技術抜きには語れない。おそらく日本の携帯電話キャリアや、電話機のメーカーは、Qualcomm からのライセンスを受けているのだと思う(今回のコンサルタントが噛んでいたかどうか知らないけど)。

 だけど、米国ではどうだか知らないが、Qualcomm は日本ではキャリアになっていない。そうすると、こちらに日本の特許権があっても、彼らがそれら日本の特許権を欲しがる道理がない。要するにクロスライセンスの線で減額を求める手段がないわけである。仮にもっぱら金銭的な取引になるとすると、ライセンス料としてもかなりの額になる可能性もあるのではないか。むろん、日本のメーカー側でも、それなりの対策(米国特許権の取得など)を動かしているだろうけど。

 まぁ、どんなコンサルテーションをしていたのかは分からないが、この人のおかげで、こういう Qualcomm みたいなライセンサーから、reasonable なライセンスが安易に受けられたというのであれば、稼ぎの額としては妥当な線になる可能性もある。
 あるけど、脱税はやっぱり絶対悪なんで、これはまずいんだが。

■ 税金と特許と海外取引の関係というと、記憶に新しいのは、2003年の日米租税条約が全面改正である。この新条約では、外国特許権者へ支払った使用料等への課税が免除になっている(たぶん、日米租税条約12条1項のことを言っているのだと思う)。

□日米租税条約 12条1項、2項(抄録)
1 一方の締約国内において生じ、他方の締約国の居住者が受益者である使用料に対しては、当該他方の締約国においてのみ租税を課することができる。
2 この条において、「使用料」とは、…著作権、特許権、商標権、意匠…の対価として受領されるすべての種類の支払金等をいう。

 この規定が画期的であるというのは、もとより日本国は使用料が超過している「使用料赤字」国なので、国としては源泉地国の課税権を留保したいところ、無体財産権の活用などをみこんで、源泉地国で免税としたことである(財務省広報「ファイナンス」2004年1月,p.2-)。[注・弁理士試験には絶対にでません…絶対。いや、たぶん。うーん、十中八九でない…と思う…特許法でもないしぃ…
 この条約は特許権等の使用料等だけでなく、種々の面での優遇を図っているので、無権原の者によるただ乗り防止規定がいろいろ設けられている。ただ、平成17年度での、東京国税局の査察の概要をみると、注釈的に、海外取引との関係での脱税があったとの指摘があるのは、この条約と関係があるのか、どうか。
 何にせよ、外国企業との取引はいろいろ重要になってくると思うので、このあたりの知識も必要になってこないとは言えないと思うのだが、こういう知識まで手を伸ばすのは、なかなか難しいことなので、誰か分かりやすく説明してくれないものか。

■ それにしても脱税6億か(結局、そこへ帰る)。なんだか別世界な話だなぁ。
 ヤリ手というのはどこの世界にもいるものだなぁ(しかし犯罪はいかんなぁ)。

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