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2007年6月14日 (木)

四方山な、むだばなし

改正弁理士法が国会を通過したのは、火曜日の午後のことである。今回の改正では、義務研修制度や、登録前修習の制度などが導入されることとなり、より直接的に我々の時間を拘束する規定がある点で重要度が高い。尤も、この法律については、既に各所で解説が見られることでもあるし(http://www.jpo.go.jp/torikumi/puresu/benrisi_low.htmなど)、ここで改めて採りあげることはしない。

▽ それよりも近ごろでは、頻繁に知財関係のニュースがあって目まぐるしいくらいだ。もっとも、年金問題の方が、お粗末さといい、実感としてはビッグニュースなんだけど。私は、いまの自分の年齢からして年金なんて掛捨て当然と思ってるので、こんなもんだろ、という程度に見てるけど。それでも無駄づかいはどうかと思うけど。

■中国での商標問題
 比較的目出度いニュースというと、ヤマハとの混同を目論んだとしか思えない、中国のバイクの商標に関する判決。かなりでかい損害賠償額がでていたが、これから執行が大変そうではある。もっとも、「日本YAMAHA」を差し止めただけでも大きいとは思うが。
 こんかいの判決は十分な一撃になると思われるので、今後の顕著なフリーライドを抑制するだろうが、逆の面を考えるとき、次のステップとして潜在的なフリーライドが増えないだろうか。要するに、「日本YAMAHA」や「HONGDA」などは、たいへん顕著なフリーライドで、

私めは、YAMAHA商標やHONDA商標にのっかっているニセモノです、

と顔に書いてあったわけだ。しかるに、これが損であるということになると、こんどは潜航して、例えばずばり「HONDA」という商標を使ってニセモノを販売し始めたりはしないものか。
 実際、アクセサリや衣料品などのブランドでは、中国の当局ですら「見分けらんない」とサジを投げるようなコピー商品があるという。まぁ、バイクなんかでは、技術上の問題があるので、「見分けらんない」ようなものは造りにくいかもしれないが、外観だけそっくりで中身は…ということになると、単なるフリーライドの問題だけでなく、ブランドの汚損(ポルーション)の問題も発生してくる(意匠、特許の侵害も…)。根っこが深くなると、叩くのに辛くなりそうだが…どうだろう。

■広義の知財
 インドと米国との間でちょっと面白い話題もあった。
 いわく、ヨガ関係の特許権、商標権が米国で取得されていることを捉えて、インド政府が、自国の知的財産権の侵害に相当するとして抗議の準備をしているそうである(もう、抗議されたんだろうか)。たしかに、広義には蓄積された伝統医療の知識として、十分に保護価値のある「知的財産」に違いないが…。
 米国特許商標庁(uspto)としては、法律に則って、登録要件を審査するだけのことだから、例えば特許出願でクレイムされた内容が新規で、公知例などから自明でなければ登録することになるわけで、こういう横槍が入るとはビックリであろう。そもそも属地主義が一般的になっている特許・商標の枠組みに対して、こういう攻撃は想定外のようにも思う。
 日本でも同様の問題が発生しないとはいえない。ただし日本ではヨガの方法などは技術でなくて単なる伎倆であるとして特許としては登録はされないと思う。ヨガで何かの器具(マットみたいな簡単なものでも技術的に特徴があればいい)を使う、というならその器具については権利の成立余地があるが。
 商標の場合、我が国でいえば、4条1項7号(公序良俗)で蹴れるかどうか。怪しいと思うんだけどなぁ。
 しかしまぁ、何かの手当ては必要なのかなぁ。

■特定通常実施権をめぐる政令整備
 例の特定通常実施権のはなしの続きである。「産業活力再生特別措置法」という長ったらしい名前の法律の改正がされたわけであるが、具体的な部分を定める政令案などができた、というので、いま経済産業省でパブリックコメントが求められている:
http://www.meti.go.jp/feedback/index.html

 さて、特定通常実施権については、契約内容が秘密になるというので、特許権の譲渡を受けたい者が、瑕疵のある(特定通常実施権の設定されてしまっている)権利を譲り受けて被害を被るという場合が懸念されていたわけだ。そして、

□産業活力再生特別措置法64条(3項) 
次に掲げる者は、特許庁長官に対し、その特定通常実施権登録について、特定通常実施権登録簿に記録されている事項を証明した書面(以下「登録事項証明書」という。)又は登録事項概要証明書の交付を請求することができる。
一 特定通常実施権許諾者又は特定通常実施権者
二 特定通常実施権許諾者又は特定通常実施権者について利害関係を有する者として政令で定めるもの

 という条文があるので、この2号からみて、政令で権利の譲り受けを希望する者であって、契約当事者の許諾を得た者、とかいうような政令が入るんだろうとか思ってたらないみたい。そもそも、

なんか64条にからむ政令の条文がみつからない…

のだが。
 まぁ、「動産・債権譲渡特例法」などを参考に、利害関係人の範囲にはそもそも譲り受け希望者は含められない、という見解もあると聞いていたが、「華麗にスルー」なんだろうか。それでいいのか?

■昨日、aboutme の「星座といえば…」という質問で、いるか座を選択したらマイノリティだった、と書いたが、本当に珍しかったらしく、先ほど出題者の方からご丁寧なメッセージを頂戴してビックリした。こういうのをやっていると、こういう楽しいことも起きるものなのだなぁ。

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コメント

哲学ですね・・・!

ごくろうさまです!


けいいちろうでした!

投稿: けいいちろうです | 2007年7月13日 (金) 15時43分

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