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2007年5月21日 (月)

一次試験今昔ばなし

弁理士の一次試験が終わりました(昨今は予備試験がないので、「本試験」とは言わないようだ)。受験生の皆さまはお疲れさまでした。

▽ ネット上の噂によると、例年より易化した模様で(それもネット独特のフカシかも知れないですが)、そうとすればボーダーが上昇する可能性が多少は、あります。
 今回は、どちらかというと、日記語り風な話です。

■ 初めて受験される方のために念のために書いておきますと、だいたい予想されたボーダーから+2,3点を超えていれば、ほぼ確実に合格圏なので、早めに二次の勉強を開始した方がよいでしょう。仮に予想ボーダーギリギリであっても、所詮は予想。±4、5点ほどの誤差を見込んでおいたほうが妥当というものです。したがって、予想ボーダー未満であっても一応は勉強を始めておくべきだと思います。その気にならない、という気持ちは大変良く分かりますが。

■ しかし
過去の試験ならばまだしも、この誤差はどうにかならないものかと思いますが、各受験機関で集める母集団は本試験でのそれとの間で大きな隔たりがあるでしょうから、このくらいのバラツキは仕方ないのかなぁ。

 過去の試験? そう、過去の試験では、正答は公表されていなかったのですよ。そのうえ、もうちょっと前(1999年頃)までは、試験問題すら持ち帰り不可だった…、いや、試験問題どころか、自分の回答一覧だって、数年前まで、公には持ち帰り不可でした。

■ すこしばかり昔話ですが、その頃(自分の答え持ち帰り不可だったころ)ですが、ある人などは解答を受験票などに書いて持ち帰ったりしていたようです。試験官に見つかりますと、

「消して下さい」

と言われてしまうことがあるので、こっそりと、です※。
 ※私? 私は記憶力が良い方なので…ということにしておきましょう。

 試験問題のほうは、受験機関で答練会かゼミかに通っていれば、

「あんたは、X番の問題のY番目の枝、憶えてきて」

と言われたものです。当日は、一応自分の回答を作成した後で、その「憶えてきて」と言われた枝をなんとか記憶して帰ってきます。あとから、再現するのに使うわけです。

 また、受験機関のほうも、「枝の末尾が『正しいものを選べ』だったか『誤っているものを選べ』」だったかを憶えてくる専門の人間を、受験生に潜り込ませて試験を受けさせたりしていた…と、これは伝聞ですが、そんなこともあったようです。皆、必死だったのですね。

 で、当日の夜は、というと、「答え合わせ会」でした。

「ではまず、1番の問題、1の枝を選んできた人」

と言われ、「1」を選んでいれば挙手する…、という式で、人数が多い枝を正解としていくのです。ほとんど同じくらいの人数が挙手している枝が、同じ問題で複数あれば、それは「ワレ問」と呼ばれ、問題を再現して正答を確認します。

■ …昔話が過ぎました。現在では、試験問題が持ち帰り可能となりましたので、当然自分の答えを試験問題の冊子に書き込んでおけば答え合わせができるというわけです。しかも問題の再現は要りません。さらにご丁寧にも正答が公表されますので、自分の点数が、嫌でもはっきりとわかります。多少なりとも曖昧さのあった、古きよき時代は、もはや過去のものなのです。

■ 合格率の上昇も去年くらいで少々足踏みしていたようですが、今年は受験者数が足踏み状態になりました。やっぱりこの業界、どんな宣伝がされようと、有資格希望者は1万人程度で一杯なのでしょうか。今後の弁理士法改正で、---多分に他業界からのヤッカミがあってのことだとの噂もあるのですが---いわゆる補助者の扱いが焦点の一つになります。試験制度が易化している昨今、たしかに補助者の問題というのも大層デリケートな問題であるわけです。ただ、社会的な実情としては補助者と弁理士とを比較して、実務的側面で弁理士が確実に秀でているかというと、

「そうでもない」

という意見も確かにあり、それは弁理士サイドとしては勉強不足を指摘されているようで、痛恨の極みなのでありますが、実情がそうである以上は、法律としてもそれに対応したものでないといけません。
 弁理士の資格というものをどのように確立していくかという問題も含め、今年弁理士になろうという方々もまた、資格だけで喰ってはいけないことだとか、資格自体のありかたが問われる時代になっていることを理解しておくべきなのかも知れません。まぁ、いずれにせよ業界で働いていくと決めたならば、受かってしまう方がお勧めなのは間違いないのですが。

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コメント

先生、いつもためになるお話有り難うございます。

ひとつお願いがあります。このサイト異常に重いです。

なんとかなりませんか?

投稿: 受験生 | 2007年5月22日 (火) 10時14分

コメント有り難うございます。

すみません。重いですか。
たしかに、カテゴリページなどはほとんど閲覧不能だと思います(それで、トップページからカテゴリページへのリンクは削除しています)。
でも、google 検索なんかを頼ると、カテゴリページに行ってしまうのですよねぇ。サイト管理上の問題からカテゴリを外したくはないし…。

少しでも軽くできるか検討してみます。

投稿: ntakei | 2007年5月23日 (水) 13時02分

「多枝試験」、ああ懐かしい。そういえば昔は答えがないというのもありましたね。「なし答」とか呼んでいたかな。今は「正解はいくつあるか」なんていうのがあるみたいですが。。。

投稿: てるける | 2007年5月24日 (木) 15時03分

てるける様

コメントありがとうございます。
懐かしい、といえば懐かしいのですが、あの「ゼロ解」というか「なし解」は私の天敵でしたので、私としては、なくなってセイセイしたといいますか…。

「いくつあるか」問題は、私の受験時代も既にありました(と、いうことは「てるける」さんは、私よりも以前の合格なのでしょうか)。わりと曲者の出題形式ですが、慣れてしまうと大したことがないと思います。

そういえば「テルケル」という語も懐かしいです。実務では扱ったことがございませんので、この語を聞くのは受験以来です。

投稿: ntakei | 2007年5月25日 (金) 01時26分

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