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2007年4月18日 (水)

灯台下暗し、という はなし

今日、4月18日は大正14年に、パリで国際アマチュア無線連合(IARU)が設立された日である。それに因んで「世界アマチュア無線の日」とされている。また、418であることから「よい歯」と読んで、「よい歯の日」でもある。そして「三重県民の日」でもあったりする。

▽ なお、明治18年に「専売特許条例」が公布されたことにちなみ、「発明の日」ということでもあったりする。

■発明の日のイベント
 特許庁では、毎年この発明の日にちなんで何かのイベントを行っている。気のせいか、毎年大規模になっている気がする。今年は、株式会社村田製作所の代表取締役である村田泰隆氏が基調講演が行われる。その後は、ソニー株式会社の知的財産権センター、センター長の守屋氏ほかによるパネルディスカッションが予定されている。
 また一方では、4月2日から既に始まっていて、4月の27日までの開催になるが、「地域ブランドフェスティバル」なる展示会が経済産業省ロビーで行われている。 

「発明の日」があって「意匠(デザイン)の日」や「商標(ブランド)の日」がないのはどこか淋しい気がするが、そもそも組織名からして「特許庁」であって、米国風に「特許商標庁」でないあたりも、どこか遠くで関係していたりするのかしらん。ただし、実体としては特許庁は、商標関係の事案でも頑張ってはいる。

■偽ブランドによる商標侵害
 ちかごろでは、インターネットオークションを介して販売される物品が多様化していて、いろいろ犯罪に関係するものも増えている模様だ。むろん、盗品が販売されてしまうケースなどもあるが、それより露見する割合が高いのか認知された件数の多いものがある。警察庁の統計によると、支払関係の詐欺がオークション関係犯罪全体の7割を占める。そしてもう一つ大きい割合を占めているのは商標法違反事件(1割)である。次いで、猥褻物頒布(約6%)、児童ポルノ関係(約5%)、著作権法違反(約5%)、銃刀法違反(約1%)となっている。

 既に2005年の末より、インターネット知的財産権侵害品流通防止協議会という団体が、ネットオークションの事業者らによって設立されている。この4月13日には、内閣官房知財戦略推進事務局宛に、同協議会より、報告書が提出されている(http://www2.accsjp.or.jp/news/pdf/070413.pdf)。

 この報告書は、基本的に昨年6月時点の報告書をまとめたものに近いようだ。内容は大きく4つほどの柱からなっている。

  1.  出品者情報の開示、
  2.  事業者自身の出品者情報の収集、
  3.  ガイドラインに基づくオークション品の自主的な削除、そして
  4.  啓蒙活動、である。

 商標事件としてはやはり、偽ブランド品の販売の問題があるようだ。警察庁の統計によると平成17年における偽ブランド品関係の検挙件数の1/4ほどがネット利用の販売であったようだ。昨年2月には、特許庁も偽ブランド品を海外で購入してくる個人の行為ですら商標権侵害に該当する場合があるなどとする資料を出して注意を呼びかけている(http://www.jpo.go.jp/torikumi/mohouhin/mohouhin2/jirei/inet_trans_jirei.htm)。

■灯台下暗し?
 と、こんな話を長々してきたのは、マクラであって、話は今日のことに移る。TBSのニュースなのであるが、こんなニュースが目に付いたのだ。

「特許庁内の売店で偽ブランド品販売」

 思わず苦笑してしまうニュースだ。ビデオによるとTBSの報道陣は、特許庁地下の展示即売会でブランド品として販売されていた商品を「おとり捜査的」に購入。その後、偽ブランド品の対策を行っているフランスの公益社団法人、「ユニオン・デ・ファブリカン」(http://www.udf-jp.org/)の関係者に相談したらしい。ちなみにこのユニオン・デ・ファブリカンのウェブサイトは、実際の事例などを豊富に掲載していて、お役立ちである。

 さて、ユニオン・デ・ファブリカンの関係者により、報道陣が購入してきた物品は全部偽ブランドだと鑑定されてしまう。ビデオには偽者販売業者の販売員も(ぼかしが入っているけど)写されていて、情を知ってか知らずか「何かあったら、ココへ言えばいい…(足元を指差しながら)特許庁。」と話している。情を知っていたとしたら大胆不敵だが…。

 ビデオでは、さらに特許庁の偽ブランド品担当職員に事情を伝えている。事情を聴いた職員はさすが驚いた様子で目をむいていたが、その後、さらに別の担当者(販売店管理関係者かしら?)に対し、

「どういうこと?」

などと憤りとも取れる雰囲気で相談しているところまで写されている(なんとなく担当者が「やっぱり特許庁らしい」感じなのは気のせいだろうか)。ちなみに、TBSによると、その後の調査で、この偽物販売業者は、さらに経済産業省などでも販売をしていたそうである。どうにも止まらない話だ※。

※なお、4月17日深夜には、このニュースは、http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3541936.html でまだ見られた。この種のリンクはいつ切れるか判らないので、いまはどうだろう。誰か youtube に…って、それこそ著作権侵害というものだ。

 担当者は青天の霹靂であったろうが、いまごろ始末書ものになってるんじゃないだろうか。可哀想だが、対策の大本営を張っている特許庁からして見分けつかないものなのか。なんたら鑑定士を増やすとか、販売されている商品の正当性を確認するための方策が必要だろう。得意のRFIDはどうですかね?>経済産業省さん。

□「偽ブランド屋は今日も大流行り!」
 俗っぽい本のようだけど、関連事案を取り扱っている本:

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コメント

発明の日の行事として「一日特許庁長官」というイベントがありました。
(過去形です、数年前に廃止されちゃいました)

今までで一番印象深かったのは、、、、、
タレントの神田ウノさんを一日特許庁長官に任命したときのTV。
テーブルの上にたくさん並べた偽ブランド品と真正品を、片っ端から、
「これニセモノ!」、「これは本物!」
と、ウノちゃん(このTV当時、若かったので)が、識別をしていく場面です。
この識別結果は、完全正解でした。
TVに映っていた専門家の方も驚いていました。
==大ネコ

投稿: 大ネコ | 2007年4月18日 (水) 05時46分

大ネコ様

いつもありがとうございます。
そのイベント、私もなぜだか憶えています。ただ、偽ブランド品の判定場面があったかは印象にありませんでした。

ブランド品の見極めって、訓練するとできるようになるものなのでしょうか。「真正品タグ」でも付けといて貰えると分かりやすいかな、と思ったのですが…。

投稿: ntakei | 2007年4月19日 (木) 02時38分

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特許庁売店で偽ブランド品=販売業者の真贋見抜けず?4月18日13時1分配信 時事通信http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070418-00000084-jij-pol特許庁では「地域ブランドフェスティバル」、まだやってましたよね。パネル展示されている地域ブランドは本物ですが、その地下では海外の偽ブランド品とみられるグッチやコーチのバッグ、財布が販売されていた…何ともやりきれないニュースです。何も特許庁の売店... [続きを読む]

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