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2007年3月29日 (木)

特別措置のはなし

すでに数日が経過しているが、能登半島で大きな地震があった。被災地域の方には、お見舞い申し上げます。

兄が静岡県の伊豆で教員をしている。私も兄も出身地は東京で、育ちも東京。幼少のころ、他の道府県へ引っ越したことは一度もないのだが、兄はどういうわけかIターン指向で、伊豆で家庭を持っている。伊豆地域はもとより東海大地震のおそれが指摘されている地域であり、群発の地震も数多いらしい。兄に言わせると、
船に乗っているようなもの
で、慣れてしまうそうだが。

▽ 能登の地震では、遠い知りあいが震源近くに住んでいるので気にかけている。マスコミの映像でみるかぎりだが、被害は甚大で、未だに多くの方々が避難生活を余儀なくされているらしい。早期の復旧を願うばかりだ。

■激甚災害指定
 「情報を収集」している一方で、いつでも押っ取り刀の政府も、地震から数日を経て、「スピーディに」激甚災害指定を検討しているらしい。激甚災害指定がされるとどうなるのか、気になって調べてみると、防災科学技術研究所(http://www.bosai.go.jp/)に詳しい記載があった(
http://www.bousai.go.jp/hou/gekizin/gekizin01.htm#seidogaiyo)。基本的には行政や企業などへの補助金や保険制度で成り立っている模様だ。

■長ーい名前の法律による保護
 それでふと思い出したのだが、たしか阪神淡路の震災のときや、新潟の震災の折りに、特許庁の手続の延長を認めていたことがなかっただろうか。こちらを確認してみると、たしかに新潟の震災のときには、特許庁でも手続きの延長が行われていた。

 新潟のとき、地震があったのが平成16年10月23日で、手続きの延長ができると発表されたのは、同年11月17日である。その間、約1月弱。もう少し早くならないものかとも思うが、これが精いっぱいだろうか。

 このときの措置は、平成8年法律第85号。その名も、「特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律」という長い名前の法律に基づくものだ。
 当該法の第2条1項にいわく、「著しく異常かつ激甚な非常災害」のうち、所定の条件を満たすものは、「特定非常災害として政令で指定するもの」として、「当該特定非常災害が発生した日を特定非常災害発生日として定める」という。

 また同じく3条3項には、

□3条3項(抜粋)
第1項の規定による延長の措置のほか、同項第1号の行政庁又は同項第2号の行政機関(次項において「行政庁等」という。)は、特定非常災害の被害者であって、その特定権利利益について保全又は回復を必要とする理由を記載した書面により満了日の延長の申出を行ったものについて、延長期日までの期日を指定してその満了日を延長することができる。

とある。

 新潟の震災のときには、この3条3項の規定を根拠として、係属中の審査・審判についての手続を延長できることにした。ちなみに、このときには、約5月の期間延長が認められ、その日までになるべく速やかに手続きをし、地震の被害で手続きができなかったとする理由を記載した申請書を添付するよう求めていた。
 念のため、そのときの延長の対象となった手続きについて、列挙されているのでリンクを示しておく(http://www.jpo.go.jp/torikumi/hiroba/20041117_pro.htm)。

 基本的に補正期間や国内優先期間などは延長可能になっているのだが、パリ優先に基づく出願などは延長の対象になっていない。外国なら対象じゃないのは明らかとかそんな理由なんだろうが、代理人事務所が被害を受けていたときはどうなるんだろう。ちょっと気になる。
 また、権利の対価を滞納したときの倍額納付の期間も延長の対象にならないらしい。ちゃんと支払うべき時に支払っておく必要があったわけだ。

■とはいえ、このような延長が認められるためには、少なくとも特定非常災害としての指定を受ける必要がある。昨今、この手続きをもう少しカンタンにして、出願人や代理人サイドから特許庁に対して、災害を理由とする特許庁での特別措置(手続延長)を求めることができるようにすべきだ、との意見があるとは聞いていた。その話がでてきたときは、別の話にかまけて「へー、そう」くらいな感じだったのだが、いざ事が起きてみると、もしかしたらかなり重要なことである。ないがせにはできない。

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