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2007年3月 5日 (月)

A story on extension rule

* For non-Japanese readers;
     Summary of this post.
     This post is on recent development of Japanese patent system.
     Due date extension rule in Japanese Patent Office will be changed on this comming April 1st, 2007.
     The extension will be granted by restricted reasons, and extension period will be also changed.
     For detail, please see http://www.jpo.go.jp/torikumi_e/t_torikumi_e/Change_Extension_Period.htm.

*****

昨日の東京は暖かだった。こう暖かいと、どこかへ行って見ようかなぁという気にもなりつつ、放っておけない仕事もあるし、そのうえ先日から鼻と咽の具合が悪い。初めての花粉症かなと思っていたが、ようやく昨日の夕方あたりから鼻が戻ってきた。風邪だったのかも。

▽ 風邪で休みたくても、期限があれば休めないし、この稼業はそれなりに体力勝負の側面もないとは言えない。期限が延びてくれたらいいのに。まぁ、ときどき延びたりはするけれど…。

■延長! 延長!
 私らが呑んでいると、某事務所の所長と一緒にその事務所の所員がやってきた。私らのところへ合流したあと、その所員の顔色が冴えないので事情を聞いて見ると、米国へ出すオフィスアクションの応答案ができないのだという。期限は数日後。おいおい、呑んでる場合じゃないだろう、というと、

「そうなんですが、所長が『延長しろ、延長』っていうもんだから…」

えっ、それは所長さん、もうすこし考えてしっかりした応答案を作成せよ、という意味ですか。

 「いや、オレが呑みたかったんだ!」

…せっかく救いの手を出したのに。なんだそりゃ(シャイな人ではありました)。

 この話ではないが、外国では、オフィスアクションへの応答期間が比較的柔軟にできていることが多い。ただし追加料金がかかることもあるし、延長できる回数に制限がある場合もある。この種の情報は、例えば特許ニュースの毎年春ごろにでる各国制度一覧のようなのにあったと記憶しているが、どうだったかな。

■我が国
 翻って我が国の状況をみる。
 どうしようかな。あの話から書いていこうかな、それとも…。まぁいいや、もうこの言い訳は通用しないと思うし、いい加減、時効切れ扱いな印象もあるので書いてしまうけど、その昔、拒絶理由通知の応答期限を延長するのはかなり容易なことだった。大概の拒絶理由には「引用文献」というのがついている。ここへ引用された文献に基づいて容易にできた発明であるとか、そんな理由で拒絶されるのである。
 ところが、この引用文献の記載、引用される文献を特定できるだけの情報はあるが、引用文献そのものはついてこない。
 そこで、古くは、

「引用文献が入手できなかった」

と一筆書いて特許庁に送ると、拒絶理由の応答期間が延長されたのである。

 しかし、IPDL(特許電子図書館)も整備された現代にあって、引用文献が入手困難とは、カタハラ痛い。もはや期間延長の理由どころか、何の言い訳にもならないだろう。もちろん、本当に入手困難な引用文献というのもあるので、そういう場合は延長可能な合理的理由といえないか、いえないのなら、引用文献を見せろ、ということぐらいはできても良い気はする。

■運用改正
 しかしながら、現状でも、実験を行いたいので、等の理由で延長が認められていることがある。こうした扱いを一律にするため、この4月1日から拒絶応答期間延長の運用が改正されることになった。

 注意が必要なのは、いままでよりも提出書類が増える、在外者のケースである。4月1日以降、期間延長請求書1通では、1月ぶんしか延長ができなくなるからだ。従って、3月延長したい場合は、3通の期間延長請求書を提出する必要がある(http://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/kyozetu_entyou.htmを参照)。なお、三ヶ月延長する場合、3通を一度に提出してもよいし、1通ずつ提出していってもいいだろう。なお一通あたり2100円なので、一気に出そうが、わけて出そうが、費用に違いはない。状況によっては一気に提出してしまったほうが、憂いが少ないように思う。

 しかも、3通提出できるのは、意見書等の翻訳に時間がかかるという理由の場合だけである。そう、延長の理由についても制限的な書き方なのである。運用改正の経緯は例の産構審のようだが、そこが理由を例示列挙したからといって、「拒絶理由通知の応答期間内に対応できない合理的な理由がある場合には、以下のとおり応答期間の延長が認められます。合理的理由は以下の二つです。」なんて限定列挙的に記載しなくてもいいじゃないか。第一、産構審の見解は内外不平等であるのに、結果として同じ期間にするために「一通あたり1ヶ月」という妙なルールを持ち出して、国内居住者に対しては1通だけ提出可能、在外者は3通提出可能な場合がある、みたいなことはユーザフレンドリーと言えるのか。むしろ延長期間に応じて料金を異ならせたり、審査順の繰り下がりのようなペナルティを課すほうが合理的だと思うのだが。

 とにかく、

  • 延長される期間がいままで一律だったのに、今回からは延長される期間自体が異なることがあること。
  • また、いままで一通の提出で得られていた期間を確保するために、今後は3通の提出が必要になる

など、いろいろいままでと事情が違うわけで、要注意である。なお、外国出願人に説明するための英文のネタは、記事冒頭の英語ページに掲載があり、利用できそうだ。

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