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2007年2月14日 (水)

見通しのはなし

キリン・ラガービールのCMは、映像としては期待外れな感じだったが、アナログシンセ全盛時代にシンセ少年だったワタクシとしては、あの3人が揃って何かやってるというのを見るのは感慨深い。と、いうわけで、RYDEEN 79/07 は、iTMS(iTunes Music Store)からしっかりダウンロードさせて頂いた。

 iTunes Store(Japan)

▽ さてここでがらりと方向転換して、YMOとは全く関係のない話題へ。数月前から漠然と感じていたことだが、ここ最近、PCT/JP出願に対する日本国特許庁の国際調査結果が甘くなった。審査官の個性かな、とも思ったが、件数からしてそうでもなく、周辺にカミングアウトしてみると、そういう感じをお持ちの方が結構おられるようで、特許庁全体のことらしい。何か方針転換があったのだろうか。理由はいろいろ考えられるが、特に発表もないようで、憶測に過ぎない話はやめておくが…

■審査に求められるものって何だろうか
 「梅は咲いたかー」の唄じゃないが、出張先の駅に降り立ったら、つぼみのほころびた梅の木が大きな鉢ごと置かれていた。梅の花は五弁か、などと思いつつ、しかしもう2月も半ばになる。この時期になると、弁理士会の委員会も一息つき、また来年の委員会公募などが始まっている。

 ふと思い出してみると、昨年の5、6月ごろは、委員会内で部会に分かれ、部会内での議論が始まったころだった。進歩性について、多くの方の議論が「高くあるべきか、低くあるべきか」というような抽象論だったので、それには多少の疑念を持って、僭越ながら議論の方向性が違うんじゃないか、という意見を述べさせて頂いた。
 ユーザーの興味としては、むしろ、審査のバーの高低ではなく、審査のバーの明確性ではないかと思った次第である。

 ユーザ(出願人)の本心としては、出願した特許については甘く、敵対する側の出願には辛くというところだろう。少なくとも他人のものについては、簡単で誰でも実施しそうなのに、盲点になっていて特段文献化もされず、出願もなかったような、「つまんない権利」が成立してほしくないわけである。と、いうのも世の中の多くの企業を困らせるのは、こういう「つまんない権利」なのであって、大発明は却って困ったりしないものだからだ。

 しかし残念ながらもとより進歩性の要件がそういう「つまんない権利」を排除することにあるか、というとそうでもなく、飽くまでも現存する文献等からの容易推考性なので、必ずしも進歩性のバーを高くしたからといって「つまんない権利」が排除されるというものでもない。結局、進歩性のバーを高くすると、しっかり文献があったりする「ちゃんとした技術」の改良版が次々拒絶されていくだけのことである。

■バラツキと予測性
 一方で、上に書いたような、いわゆる「つまんない権利」を必死になって拒絶してくる審査官が少なからずいるのも事実だ。

アンタらの仕事は拒絶のための屁理屈を創案することじゃなくて、登録をすることだろう。

と悪口雑言を吐きたくなるが、権利化の専権が向こう(特許庁)にある以上、仕方ないことである。こういう場合に、

マァ、つまんない発明だったしナ

などと考えて、「自由技術」箱に入れてしまうと、いつのまにかよく似た発明が権利化されていたりしてビックリしたりする。

 出願人としても、権利化を支援した代理人としても、困るのはこんなときだろう。審査のバーは審査基準で明確だと言われても、大きなバラツキがあるのは厳然たる事実だし、そのために進歩性の予測性が大きく損なわれているのも事実だ。代理人としては、これだけの材料があれば審査官を説得できる、と確信できるだけの材料をよほど十分に仕込んでおかないと安心できない。かといって変な仕込みをしすぎると、今度はEPCの方で自己衝突を起こしたりしても困る。とにかく無用な労力がかかり、そして安全なラインの確保が難しいのである。

■そこへ来て、PCTの国際調査のこの甘さは何なのか。いままでであれば、国際調査報告=日本での審査結果と考えてよかったのに、予測性をさらに失わせるようなやり方じゃないだろうか。というようなわけで、個人的には、昨今の法改正の内容といい、今後の特許行政に不安を感じているところなのであるが、閲覧者諸賢のご意見は如何であろうか。

□ときに、YMO。 iTMS では YMO のアルバムの取り扱いも準備されている模様なのだが、日本では未だダメと言われてしまう。仮に Yellow Magic Orchestra の米国盤が販売されたら思わず即買いしてしまいそうな気がするのだが(Cosmic Surfin'も久々に聞いてみたいし)。
 アマゾンにはあるんだけどね、米国盤(あぁ、良く見ると発売元がアレなんだな):

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