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2007年2月 8日 (木)

先が見えない時代

予定していた記事があったのだが、書き上げてみると、当り障りがありすぎるので、ボツにした。その影響で、ポストが遅くなってしまった。

▽ といって、最近の google news などで配信されるニュースにも目新しいのが…と思っていたら、どっかの「市民記者ニュース」で、知的財産研究所が槍玉に挙がっていた。珍しいことではある。

□件の記事では、まず、最近知的財産研究所の要請を受けて、どこかの大学教授が作成した論文が他所の論文のパクリだったという事実(http://www.iip.or.jp/press/070129.pdf)を報じている。ここまではいいのだが、同組織の目的と、AIPPI などの組織と目的とが重複していて、複数組織が必要である理由が不明だとしている。その上で知的財産研究所を特許庁からの天下り組織と断定しているかのようになっている。この後段は、組織のウェブページの情報からの憶測みたいだ。
 同組織が何をしている組織なのか、私も知る由もないが、組織幹部の名前には、名前だけは見たことのあるお歴々がおられるし、別に特許庁の天下り組織にも見えないけど。というか事実の報道以外は殆ど憶測なのか。まぁどうでもいいけど。

□一時期に比べると落着いてきた感もあるが、知的財産がカネになりそうだぞ、とでも思ったか、弁護士も学者も政治家もこぞって「知財」と言っていた時期があった。この研究所を主催する中山教授がそういう拝金主義者かどうかは知らない。ただ、弁理士増員を推進しているのもこのお方で、そんなにこの業界の人口を増やしてどうしたいのか、とは思う。

□おかげで職業弁理士(代理人)はどんどん食えなくなっているのが現状である。そもそも出願処理自体のパイはだいたい決っているので、職業弁理士が増員されると、別の業務に手を出さないと食えない事態になってきている(その意味では昨年の合格者数には多少の安堵を覚える人もいたのでは)。
 そういうわけだから、著作権法や契約、侵害訴訟業務…といったところへ手を出しているのじゃないか。しかしながらこういう新規事業分野での業態というのに定まったところがなく(出願、中間、登録といった手続とは違うからねぇ)、どういうサービスが必要なのかも模索中のままなんじゃないだろうか。日本人は、基本的に相談はダタ、と思っているところがあって、相談料のような設定はしにくいし、タイムチャージもやりにくい。そうとなると…、どうしたものだろう。

□てなわけなのかどうかは知らないけど、弁理士としては昔からやっていて、最近別の業種に脅かされつつある業務に目を向け始めた。外国出願業務である。外国出願業務は、近ごろでは米国の代理人などに直接出願を依頼するケースや、翻訳会社が処理してしまうケースなどがあって、弁理士の手に落ちてこなくなっているのである。例えば産業構造審議会の報告書に掲載されている、弁理士会のアンケートで、大企業の外国関連業務の依頼先として、7.4%が翻訳会社を利用していると回答している。個人的には年次推移を見てみたいものだが、過去に比べればこの数字は無視できないものだろう。
 と、いうのは、国内出願では明細書を1から作成するために、多大な労力が要求されるのだが、外国出願では、基礎となる出願がそれなりに出来上がっていれば、翻訳だけしてポーンと丸投げすることも不可能ではないからだ。基本的に翻訳会社としては、そこへ目を付けて、他人のふんどしで相撲…というか、人が苦労して削り出した部品をロハで貰ってきて、色塗って丸儲けというか…。いかん、この記事も当り障りが出始めた。

□では、話を軽めの方向へ。
 以前、特許出願書類の著作権は誰にあるのか、という質問があったらしく、特許庁では「作成した人、例えば弁理士などにある」と回答していた。とすると、要約書の著作権も右に同じであろうが、あの劣悪な機械翻訳による勝手な要約書の翻訳は、著作権侵害ではないのか、という話題があった(むろん、酒の席などの半分冗談な話である)。これに対する回答としては、特許明細書等は、公共性が高いものであるから、二次著作に対して権利を行使できない、ということになる。生真面目な説明としてはこうなるのだが、あれを、弁理士に翻訳させろ、料金よこせ、というわけには…いくまいなぁ。

□かくして、職業弁理士としては、日々、外国出願業務だとか、新規業務についての研修や勉強が欠かせないものになりつつあるわけである。一方で、明細書のスキルは維持乃至向上させる努力も欠かせない。そのうえ酒も欠かせない。あ、これは私だけか。

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