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2006年12月 4日 (月)

むつかしいリサイクル

関東方面からだと、関越道の藤岡JCTから分岐して上信越自動車道に入ることができる。関越道も藤岡あたりだと、降雪も稀だから、厳冬の間でもノーマルタイヤで十分なことが多い。上信越道も碓氷軽井沢ICあたりまでならば、だいたいの場合、問題がない。ただ、碓氷軽井沢ICから先は、路肩などに部分的に残雪が見られることもあるし、碓氷軽井沢ICで下りたら、そこからの一般道は雪が残っていたり、凍結路面であったりすることがある。
その、碓氷軽井沢ICの少し手前側に、横川SAというのがある。実を言えば利用したことがないのだが、ここには峠の釜めしや、「おぎのや」があるらしい。

▽ 昔は碓氷峠を越える特急列車に乗っていくと、横川駅で機関車を連結する時間に、釜めしを買い求めたものである。しかし、いまやクルマでいけば、この横川SAに寄らないと買えないし、電車じゃ、長野新幹線でアテンダントが売りにくるんだもの。しかも新幹線の場合、行き先が軽井沢だと、碓氷のトンネルを越えるのにものの数分しかかからない。釜めしなど食べている余裕がないのだ。

■釜めしの釜
 先日朝早く出かける用事があり、その足でふらりと開店早々のデパートへ寄った。そこでは駅弁フェアなるものが開催されていた。おぎのやの釜めしなどは早くから売り切れてしまうことが多いようだが、オープン間もないせいか、行列もせずに買うことができた。昼飯のつもりだったのだ。
 蓋をどけてみると、《こんな風だったかな》、と。ウズラ卵と、杏は強烈に印象に残っているのだが、《こんなに具材が入っていたろうか》、と感じた。
 箸をつけてみる。やや濃いめに味をつけた具材は、食べてみれば《そんな味だったかも》。つくづく味の記憶は薄れやすいものである。
 ただ漬物はプラスチック製の容器に入っていて、これは昔はなかったはずだと思ったのだが、あのゴボウの漬物の味には憶えがあるような…。

 むかし、横川駅では確か、この釜めしとともに茶を買ったが、あの茶はプラスチック製の容器にはいっていて美味しくなかった。プラスチックくさいのである。いまのペットボトルは大変優秀な製品だ。
 食べ終えてみて、そういえば、《この釜をよく家でとっておいたものだが》、と思いつつ、再利用するかどうかも考えずに、取りあえずキレイに洗ってひっくり返してみると、釜のウラに意外な文句が書かれていた。

実用新案登録第3094454号

 見慣れた文字だが、こうして釜めしの釜に刻印されているのをみると妙な感じがするものである。職業柄、その番号からかなり最近の登録と見た。《いまさら登録したのか?》
 実用新案の場合は、新しさなどを審査せずに登録されるから、昔からあるものでも体裁を整えて出願すれば、登録はされる。ただ権利行使のときには、新しさの審査が実質的に行われることになる。従って、既にあるものをそれと承知で出願・登録したときには、権利行使はムリと考えておいてよい。それでも「実用新案登録」と書いてあると宣伝的に有効と考える人もあるので出願はされるわけだ。

 《それにしてもいまさらだなぁ》と思いつつ、特許庁の電子図書館で番号を調べてみると、2度目のサプライズが待っていた。

■芳香剤容器
 クレイムを見てみよう。

【請求項1】 釜形をした陶器製の容器本体と陶器製の釜蓋とからなる釜めし容器において、容器本体の口縁に1以上の合成樹脂製のU字形クリップを着脱自在に嵌着して、容器本体と釜蓋との間に隙間を形成することを特徴とする釜めし容器。

 「請求項1」と書いてあるのは、権利として欲しいもの第1番、というような意味である。「容器の本体と、蓋とからなる釜めし容器」が対象である。限定がついていて、容器の口縁、つまり飯をかっ込んで食うときに、思わず口をつける部分に、U字形のクリップをはさむ、という。そしてこのクリップを挟んだことで、釜に蓋をしたときに、蓋がきちんと閉まらないようにする。何がしたいか、というと、容器の底(飯が入っていたところ)に芳香剤を置いておけば、芳香がこの蓋と釜との隙間から漏れ出すだろう、ということである。釜めしの釜を芳香剤容器として再利用するための発明だったのだ。

なぁにぃ? U字クリップぅ??

 職業柄、おもわず突っ込みたくなる言葉(「釜形」、「陶器製」、「釜めし容器」、「合成樹脂製」、「U字形」などみんな不要な限定だ)もあるが、まぁそこは突っ込まないこととして、芳香剤容器として再利用するという話だったとは。
 リサイクルの世の中である

■釜
 そしてわが家に来た釜をもう一度眺め回してみたのだが、どう考えてもU字クリップは付属していなかったと思う(箸袋とか包装とかを廃棄した後だったのだ)。とすると、このU字クリップはどこから調達すればいいのだろう。もっとも、芳香剤入れとして使うかというと、そんな使い方はおそらくしない。
 言われて考えてみれば、「香」でも嗜む方なら、たとえば釜の底部に凹部でも形成しておけば、香置きとして使ってみたりはできるかも知れない。まぁ、釜めしの釜から香が漂ってきても、とも思うんだが。

 結局、わが家の釜は流し台の脇に追いやられて、数日のうちには埃を被っていそうな、そんな気がする。結局捨ててしまうことになるのだろうな。

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コメント

ntakei さん。
こんにちわ。
昨日は、論文過去問の全文書きを4通やりました。
自分の勉強法は、論文過去問から必要な知識などを拾っていく
勉強をしています。
条文の勉強のアドバイス有難うございます。
論文の理由付けは、青本から結構持ってきているみたいですね。
条文と青本・改正本の情報一元化をやろうと考えています。
昨日特許法論文過去問で実施権関係の勉強をしました。
通常実施権と専用実施件のところが理解不足だと感じました。
これからも宜しくお願いいたします。
また色々アドバイス頂けたら嬉しいです。

投稿: ぴょん吉 | 2006年12月 4日 (月) 09時11分

こんにちわ。
そうしてもお伺いしたことがあるのですが、
条文を理解するのによく条文の読込みをすると良いと
聞くのですが、どのように読み込んでいけば良いのか
解らないので、是非教えて頂けたら嬉しいです。
自分の年内の目標は、条文から知識を一元化したいと
考えていて、今作成中です。
今後とも宜しくお願いいたします。

投稿: ぴょん吉 | 2006年12月 4日 (月) 12時24分

条文の読解ですが、漫然と条文だけを眺めていても確かに頭に入ってこないことが多いですね。
条文をどのように読むかといいますと、理想的には、条文そのものの文言、立法経緯、関係する判例、解釈論などを立体的に捉えることが大切なわけです。

ただし、こと弁理士試験に限って言えば、文言や立法経緯は青本や改正本で十分ですし、重要判例に係る条文の数は少ないです(従って、各条ごとに判例を勉強する必要はなく、むしろ重要判例から関係する条文を拾うほうが普通)。そして解釈論に立ち入る必要性はほとんどありません。

つまり、青本や改正本を繰り返し(ここが重要で、一度通読しただけで頭に入る人は、まずいません)読んで、その規定の構造や趣旨を飲み込んでしまえばよいのです。条文だけを参照するのではなく、条文の文言を解釈し、条文を運用できるようにしておけば、弁理士試験に備える意味では必要にして十分であると思います。

勉強法について、多少迷われているようですが、迷ったときこそ基本に戻って、青本・改正本などに頼っていけばいいと思います。頑張って下さい。

投稿: ntakei | 2006年12月 5日 (火) 02時53分

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