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2006年11月10日 (金)

[弁理士試験]特許法案内(11)

本日は、趣向が少々変りまして、多少「勉強法」的な話です。法律には「準用」というのが多いもので、要するに別の制度や法域の規定を、そのままもってくるときに使われています。この準用条文、一応全部追っかけて、もとの条文と対比しませんと、「…と読み替える」とあると、もうついていくのが大変になります。

▽ しかしそうはいっても「面倒なので」、さぼっている人、結構いるんじゃありませんか??

■ 手続の流れに沿って準用条文を追っかける
 準用の多い条文の一つ、71条について見ましょう。この条文は「判定」という制度についての条文です。一般的にいって、それ自体が論文で出題されることはまず考えにくいですが、特許権行使の前にできること、等といって記載することはあるかも知れません。第一、案外一次試験では準用部分が出題されたりしています。

 準用部分を見てみましょう。3項です。

□71条(3項)
第131条第1項、第131条の2第1項本文、第132条第1項及び第2項、第133条、第133条の2、第134条第1項、第3項及び第4項、第135条、第136条第1項及び第2項、第137条第2項、第138条、第139条(第6号を除く。)、第140条から第144条まで、第144条の2第1項及び第3項から第5項まで、第145条第2項から第5項まで、第146条、第147条第1項及び第2項、第150条第1項から第5項まで、第151条から第154条まで、第155条第1項、第157条並びに第169条第3項、第4項及び第6項の規定は、第1項の判定に準用する。この場合において、第135条中「審決」とあるのは「決定」と、第145条第2項中「前項に規定する審判以外の審判」とあるのは「判定の審理」と、同条第5項ただし書中「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるとき」とあるのは「審判長が必要があると認めるとき」と、第151条中「第147条」とあるのは「第147条第1項及び第2項」と、第155条第1項中「審決が確定するまで」とあるのは「判定の謄本が送達されるまで」と読み替えるものとする。

…なんかこう、頭痛くなりませんか。しかし、この条文番号の山を整理しないといけません。

 実際、この71条3項に書かれているのは手続の流れです。例えば冒頭の「131条1項、131条の2第1項本文」などは請求書の記載事項と請求書の補正に関すること、そして共同審判の規定(132条1項、2項)という次第。

■ 流れを、図で書いていく

 流れのある部分ですから、図で書いていけば分かりやすいです。

 請求書(131(1)) ← 補正[要旨変更不可](131−2(1))
               共同:かといって権利者全員でする必要なし(3項なし)
     ↓            中止・中断もなし(4項なし)
 請求書の方式違反 → 補正命令 → 却下(133) こちらは不服申立可
 補正不可不適法手続 → 決定却下(133−2):弁明書提出機会あり
     ↓
 答弁書提出機会(134)→副本送達、審尋可能
     ↓
 補正不可不適法請求 → 審決却下(135):不服申立不可(71条4項)
     ↓
 合議体形成(136):ただし3名(71条2項)
     ↓
 審判官の故障(137(2))
     ↓
 審判長の指定(138)
     ↓
 除斥(前審関与は関係なし(6号除外))(139) ←除斥申立(140):方式、疎明(142)
 忌避(141)
     → 除斥・忌避の決定(143)、手続停止(144)
     ↓
 審判書記官(144−2)
     ↓
 書面審理原則、ただし口頭審理もあり得る(申立・職権)(145(2)など)
     公開審理(審判長が必要があると認めるときは公開しないことも−読み替え)、
     通事(146)、調書作成(147)
     ↓
 証拠調・証拠保全(地裁・簡裁嘱託なし(6項除外))(150)
 民訴準用(151)
 職権進行(152)
 職権審理(153)
 併合分離(154)
     ↓
 請求取下(判定謄本送達まで可能、2項、3項準用なし)(155)
     ↓
 審決による終了(157)
     ↓
 費用負担は請求人(169(3))−共同は民訴準用

 

※参加(148,149)なし
  終結通知(156)なし
  詐欺罪(197)なし

…いかがでしょうか。あるものと、ないもの、読み替えられるもの、いろいろですが、整理すると案外単純なものです。

 なお、審判手続では、「請求書」、「請求」、そして審判での「手続」の3つを峻別しておくことがキーです。それだけで131条以降の条文が読みやすくなるのです。まぁ、それはまた、いずれ。
 次回は、法律間での準用条文について見てみたいと思います。

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