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2006年9月12日 (火)

文献を探す話

考えていた記事が事情で書けなくなり、昨日から体調が思わしくないこともあって、遅れての投稿です。

▽特許出願の検索方法には、いまであれば、ipdl (http://www.ipdl.ncipi.go.jp/homepg.ipdl)があるわけだけれども、その昔は、特許庁へ直に行き、書架にでている特許公報冊子を手でめくって、該当する文献を探したものである。むろん、特許文献サーチの専門家がいて、一部では「めくり屋」などとも呼ばれたりしていたと記憶している。

■ IPDL
いま、IPDLの機能は十分充実している。サーチの方法も、番号によるサーチ、キーワードによるサーチ、IPC(国際特許分類記号)やFターム(特許庁が付与する分類番号)によるサーチなどいろいろなサーチ方法がある。

□番号サーチ
 番号サーチには、特許・実用新案公報DBと、特許・実用新案文献番号索引照会の2つがある。見たい公報が決まっていて番号が分かっているなら前者、見たい公報が決まっていないときなどには後者を使う。
 つまり、前者は、XX番の特許公報が見たい、とか、XX番の特許公開公報が見たい、というように公報種類まで分かっている場合には迅速なアクセスができる。
 だが、出願番号だけ分かっている、というケースや、特許公報が発行されているかどうかが分からないが、あるんだったら特許公報がみたい、でなければ公開公報を見たい、というような場合には後者を使う。後者は、一度に呼びだせる件数も少ないが、経過をリスト表示してくれるので、ステータスを知りたい場合にもある程度有用である。

□キーワードサーチ
 キーワードで検索をする場合は、公報テキスト検索というのを使う。こちらは、番号サーチと異なり、検索可能な文献が最近の文献(と、いっても平成5年以降のものはある)だけになる。「要約+請求範囲」にあるキーワードで検索する方法や、「出願人ないし権利者」の名称で検索する方法などがあって便利ではある。全文検索は、ない(処理負担の軽減のためだろうか)。
 変わった使用方法として、「あの代理人はXX社の出願を何件くらいやってるんだろうか」というサーチなどにも使う。
 IPCで検索したい場合も、この公報テキスト検索が使える。

□FI・Fターム検索
 Fタームを使う検索方法である。
 Fタームは、IPDLの「パテントマップガイダンス」を使い、キーワードで探せばいい。
 IPDLのトップページから、「パテントマップガイダンス」をクリックし、現れたページをやや下へスクロールしたところにある、「キーワード検索」を使う。ここで例に従ってキーワードを入力して照会すれば、キーワードをFタームに変えることができる。例えば、「エレベータ」というキーワードを入れると、エレベータを含む分類が一覧表示される。テーブルの左端欄はFI、右端欄のテーマコードがFタームのテーマコードに相当する。リンクになっているものとなっていないものとがある。
 リンクになっているテーマコードについては、リンクを辿ればさらに細分類が表示される。XXnn (Xは英字、nは数字)のフォーマットの符号である。
 一例として「救出かご」のテーマコード 2E184 をクリックすると、吊下げ降下装置一般(BB00)などから、階層的に「ロープ又はチェン等で降下する(BB01)」…と分類が規定されている。この表を使って、例えば「かご、箱、袋等で降下する」救出かごを検索するつもりならば、テーマコードの 2E184 と、細分類の BB06 とを合わせてFターム検索ができる。
 テーマコードがリンクになっていない場合は、FIと組み合わせる。FIもリンクを辿ってさらに近くの分類を見ることができるので、確認することをお勧めしたい。
 例えば「人を昇降するための装置」は、テーマコード 2C086 であるが、Fタームの細分類がない。だいいちテーマコードのみではFターム検索ができないので、FIを使う。
 この場合のFIは、A63J5/12 となっているが、このリンクを辿ると、その上位概念を見ることが出来るドットが対象より少ない数値となっているものが上位概念である。A63J5/12 のドットは「1」なので、それより小さい数「0」が上位概念のものとなる。従って、このエレベータは、「舞台上…で特殊な効果を出すための補助装置」としてのエレベータなのである。
 より一般的な意味のエレベータは、B66B1/00。Fタームテーマコードも 3F002 である。

 以上によりFタームやFIが分かれば、IPDLのFI・Fターム検索を使い、所望の文献を選択し、所望の期間、テーマコード、細分類やFI等を入力して文献検索ができる。検索の方法としては比較的強力で、単純なキーワードサーチでは引っ掛からない文献も現れることがある。

■ espacenet
 パテントファミリーや、外国文献をサーチするならば、espacenet(http://ep.espacenet.com/など)がある。詳しいサーチ方法は、機会があれば詳述するが、ここでは簡略に書くと、キーワードや番号などを使ってサーチできるようになっている。
 パテントファミリーを一覧できるようになっているのがミソで、なかなか有用である。
 ちなみに、最近「日本語のインタフェース」が追加され、(多少たどたどしい)日本語説明つきのインタフェースを使うことができるようになった。

■いまではインターネットを使ってこれだけの特許文献サーチができるわけである。その反動、というか、問題点というのも近年指摘されているわけだけれども、そういう話題は、また今度に。

インターネットを使った特許文献検索方法を紹介した本もある:

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