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2006年9月11日 (月)

大学の英語

大学はICU(国際基督教大学)でした、というと、最も多い反応は、

「じゃぁ、英語ができるんでしょう」

というもの。その他の反応としては、

「理系、ありましたっけ?」または「文科系だったのですか??」(理系あります)

あるいは、

「じゃぁ、キリスト教…」

…いいえ、天台宗です。

▽ ひとより英語ができるかどうかはよく分からないが、相手がネイティブなら、この程度でわかるべぇ、という感覚くらいは身に付いた、と思っている。

■ICUの英語
 ICUの英語は、英会話学校のそれではない。目的があっての英語であり、当時は(たぶん今でも)English for Academic Purpose といわれていた。
 私が入学した年前後に、英語教育改革があり、それまで1年間で行われてきたカリキュラムが、2年間に履修すればよい、というものになった。つまり1年次に行われる部分(Freshman Component)と、2年次に行われる部分(Sophomore Component)とに分けられたのである。
 Freshman Component は、さらに、Academic Writing と、Content、それに Communicative Strategy の3つに分けられていた(いまは Content が、より内容に沿った名称として、Academic Reading となったようである)。
 Content では、日本語への翻訳作業というのは一切行われない。英語は英語で理解すべし、というようなことで、おそらく大学を通じて、授業として日本語訳をやったことは一度もないんじゃないかしら。使う辞書も Longman だったし。

Longman... この辞書はいい。

 一番最初の授業は、かすかに憶えているところによると、"College Thinking" という百数十ページのペーパーバックが課題図書になっており、授業の末尾に教師(外国人である)が、

You should read through this book 'til tomorrow.

てなことを言うものだから、教室中(といっても20名程度)で、悲鳴が起きた。内容自体はあまり記憶にないが、その後繰り返し教えられた、critical thinking の話だったと思う。なお、この本のサブリーダーだった、"What Yale Freshman Should Know"というタイトルの小文は、たいへん面白かった。

※クリティカル・シンキング、というのは、批判的な受容、というか、例えば本を読むときに、記載されている内容が事実であるかを疑いつつ読解を進めるというようなこと。
興味がお有りなら、例えばこんな本はどうだろうか。

■二年次
 2年次の英語(Sophomore Component)は、1年次の内容を土台にしたもので、Academic Writing は、Theme Writing に変わり、比較的長文の英作文をさせられる。Academic Writing では、だいたい500ないし1500ワード程度(だったと思う)の Essay(小論文)であるのに対して、Theme Writing では、ワード数は記憶にないが、かなり長めの Thesis(論文)を作成する。
 テーマは各自決める。各自決定したテーマについて図書館や、具体的な取材をして、実証例を集める。そして自分の論述を展開する。私は、原子核融合炉による発電の可能性について書いた。友人の一人は、日米の政治家の失言について書いていた。皆、かなりバラバラのテーマなのである。
 また二年次には、プレゼンテーションをさせられる。何をプレゼンテーションで話したか、まったく憶えていないが、教師の痛烈な批判だけはよく憶えている。

■もっとも役に立っているように思うこと

 それで、各授業はそれなりに今の英語の読み書き会話に役立っているとは思うものの(できない科目については教師に呼び出されて英語で釈明を求められるから、それはそれでコミュニケーションと説得能力の一助にはなる)、いま、もっとも役に立っているように思うのは、Writing  fluently という講座である。残念なことに教科書を憶えていないのだが、要するに、読みにくい英文を、もっと簡便な表現で、読みやすく置き換える訓練である。「of」が多用されていたり、「or/and」で徒に長くしたりする文章を置き換えるのである。最近でいうと、「疑わしい荷物や人物を見かけたら、駅員か車掌までご一報下さい」という趣旨の英文を地下鉄で見かけたのだが、あれは悪文の一例であったと思う。近ごろリバイズされて、多少良くなったように思うが。

英語論文などの作成指導テキストの例:

Fluent Wrinting とタイトルは似てるんだけど、中身はちょっと違うみたい。この本は、ちゃんと読んでないけど、英語の表現の勉強には、なるようだ。

ライティング講座。社会人用にもこんなのがある:

アルク

■しかしながら結局のところ、大学4年間+大学院2年間を通じて思ったのは、

「表現なんて、みんな違う。分かればいい」

ということである。隙あれば意味を変えて読んでやろう、という世界(特許の世界がそうだ!)でなければ自由な表現を採ればいい。

まぁ特許の世界についても、慣習的に狭く解釈される表現、

characterized in that ...

のような表現を避ければいい。基本的には通じる英語を書くことが大事なわけで、あとの細かな表現事項は、現地代理人の仕事にしておいた方がよいことが多いと思われる。

※これがまた、国によっても区々だから困ったりするわけだけど、そういう話題は、また回を改めて。

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